処理水「漁業者は関係者」...「約束」の政府側解釈に懸念

 
高校生の質問に答え、処理水への考え方などについて語る野崎会長

 県漁連の野崎哲会長は13日、東京電力福島第1原発で発生する処理水の扱いについて政府と交わした「関係者の理解なしにはいかなる処分も行わない」との約束を巡り、関係者の定義について「第一義的に漁業者は関係者」との考えを示した。「政治は言葉だが、言葉は一番恐ろしい。いろんな争いが出てくるのでしょう」とも指摘し、政府側の解釈が処理水の扱いの議論に及ぼす影響を懸念した。

 Jヴィレッジで同日開かれたNPO法人ハッピーロードネット(広野町)の「ふくしま浜通り高校生会議」で言及した。野崎会長はかつて漁業者は原発と共生してきたが、2011年の原発事故で環境が激変したと指摘。漁業者が10年以上をかけ、水産物の安全確保の枠組みを構築しながら復興してきた歩みを語った。

 その過程の中で「私たちは廃炉が安全に終了することを重要と考えている。だからサブドレン(でくみ上げた原発構内の水)の放出も運用に合意してきた」と語った。処理水放出による放射性物質の量がサブドレンの放出に比べ格段に多いことなどから、海洋放出に反対の姿勢を取るが、それは「長い紡ぎ合いの中で生まれていると理解してください」と述べた。

 その上で、高校生に対し「原発跡地は将来どのような景色なのでしょうか。それは見届けてほしい。その時、福島の漁業がどのような景色なのかは、まだ私たちの手の中にあるので頑張っていきたい」と語りかけた。今後の処理水の議論の進め方については「賛成派は反対派を許さない、反対派は賛成派を許さないのではなく、お互いが紡ぎ合う作業になると思う」との展望を示した。