カキ、形悪く「心配」 県北など一部地域、あんぽ柿加工に苦心

 
いびつな形をしたカキ。生産者は商品価値の低下などを懸念する=伊達市梁川町

 県内で特産品「あんぽ柿」に使うカキの収穫が始まる中、県北などの一部地域で、いびつな形に変形したカキの実が多く確認されている。生産者は「味への影響はない」としているが、皮をむくなどの加工作業に苦心したり、商品価値の低下を懸念したりと、出荷に向けて収量の確保を心配する声が上がっている。

 「(伊達市梁川町の)白根地区の今年のカキは、8割ぐらいが奇形なのではないか。一つの実で三つ割れ、四つ割れはざら。ここまでひどいのは初めてだ」。伊達市梁川町白根地区の生産者三浦秀勝さん(55)は肩を落とす。三浦さんによると、形が不ぞろいだとあんぽ柿に加工する際に機械で皮がむきにくいという。味に変わりはないが、むいたとしても商品価値は下がってしまう。そのため、いびつな形のカキを除いて収穫作業に当たっていて「あんぽ柿に加工して出荷するには、自分のところだけでは足りない。他から買ったり、豊作な地区の収穫を手伝ったりして補うしかない」と話す。

 県によると、変形したカキは県北や会津の一部地域で確認されているという。県内では1990(平成2)年に県北を中心に変形したカキが多く発生。当時は、農研機構が発芽から開花までの間に、高温の日や1日の気温差が大きな日があると変形の原因になるのではないかと分析していた。今年も4~6月にこうした条件に当てはまる気象が見られたことから変形したのではないかと、県は推測している。ただ、地域によってばらつきも見られ「県全体の収穫量に影響するかどうかは、今後の状況を見ないと分からない」という。

 生産者によると、カキはおおむね2年に1度、豊作の「表年」と不作の「裏年」の年が入れ替わるという。今年は「表年」で、豊作の年に当たる。

 JAふくしま未来の担当者は「今年は大きな凍霜害もなく、全体的には豊作の傾向。生産量が大きく減ることはないだろう」と見通している。