祈る...ポーランドの平和 母国にミサイル「ショック、家族心配」

 
不安な思いを話すソブコビアクさん(福島学院大提供)

 なぜ罪のない人の命を奪うのか―。ポーランド東部で15日、ミサイルが着弾し、2人が死亡したことに、ポーランド出身で福島学院大福祉学部教授のミハウ・ソブコビアクさん(49)は表情を曇らせた。母国の将来や現地で暮らす家族のことを思うと、不安ばかりが広がる中、早期の戦闘収束と平和な世界の実現を願っている。

 「ショックだし、向こう(ポーランド)に住む兄や両親の立場を考えると今後が心配だ」。ソブコビアクさんは胸中を打ち明ける。

 ソブコビアクさんは16日朝、テレビとポーランドのニュースサイトでミサイル着弾と2人の死亡を知った。これまでのところ、両親や知人などに被害があったとは聞いていないという。

 ポーランドで音楽家の家庭に生まれ、来日して約20年。学生たちにピアノを教えるなどしてきた。母国の偉大な作曲家ショパンの音楽を聴くと、ポーランドの情景が思い浮かぶ。「日本にいてもポーランドの血がしっかりと流れている」と母国への思い入れは強い。

 普段から連絡を取る両親からロシアのウクライナ侵攻以降、母国の状況などを聞いてきた。ウクライナからの避難民がポーランドに来ているため、両親は「ウクライナ語が毎日聞こえる」と話していたという。「ポーランドにも悪いことが起こると予想していたが、とうとう起こってしまった」。悪い予感が現実のものとなり、不安はさらに大きくなった。ポーランドは18世紀後半にロシア、プロイセン、オーストリアに分割統治され、国家が一時消滅した過去がある。「侵攻を受けるウクライナの気持ちがよく分かる。だからこそ助けたい」と力強く話す。

 ロシアによるウクライナ侵攻以降、支援のため県内などでチャリティーコンサートを開き、ウクライナへの寄付金を集めてきた。「教育などを通して、多くの人に軍事侵攻や被害の現状などを知ってほしい。日本だけでなく世界の力(支援)が必要だ」。先が見通せない中、世界が結束して平和を実現することを望んだ。