常磐もの、夜の街に希望 いわき・16飲食店で創作料理一斉提供へ

 
常磐ものの魚をさばく高木さん。「提供イベントを機に街が元気になってほしい」と願っている=いわき市

 いわき市内の飲食店16店舗で、本県沖で取れた魚介類「常磐もの」を使った特別な料理を一斉に提供する試みが25日からスタートする。複数の飲食店が連携した初の取り組み。夜の飲食街で依然として新型コロナウイルスの影響が残る中、関係者は「福島の魚料理の発信で地元の活気につなげたい」と思いを込める。

 「常磐ものの提供で街が元気になってほしい」。いわき市平で魚料理を専門に扱う漁夫三町目店の店主高木保さん(55)は事業参加の思いを語る。店では感染対策徹底が続くが、売り上げはコロナ禍前の半分にとどまる。年末年始の忘新年会の動きも鈍く、起爆剤として期待は大きい。

 同店は元々、ほとんどの料理に常磐ものを使用していた。しかし、東京電力福島第1原発事故後に本県沖の水揚げが激減し、他県産の魚の割合を増やさざるを得なかった。近年は漁獲量が回復傾向にあるが、今度はコロナ禍による客足減少で取り扱いを増やせないのが現状だ。

 イベントは12月3日までの期間、各店がヒラメ、アナゴ、カレイの3魚種を選び、普段提供していない料理などを提供する。同店はアナゴで天ぷらや卵とじを作る予定。高木さんは「この機会に各店で取り扱いが増え、魚食拡大のきっかけになってほしい」と話す。

 常磐ものと呼ばれる魚は多彩だが、地元でも理解していない人や扱っていない飲食店は多い。イベント名は「恋するさかな」で、実行委員会は多くの人に常磐ものを好きになる1週間になってほしいとの思いを込めた。事業の仕掛け人で、いわき市久之浜で鮮魚販売・卸売りを手がける「はまから」代表の阿部峻久さん(40)は「常磐ものの魅力を伝え、処理水放出方針などでくすぶる風評問題払拭の力にもなれば」と願う。

 参加店の情報は、「はまから」のツイッター、インスタグラム、フェイスブックの各種交流サイト(SNS)で順次紹介される。