浪江の復興拠点、線量「十分に低減」 検証委、避難解除へ報告書

 
吉田町長に報告書を提出した塚田委員長(左)

 浪江町除染検証委員会は、東京電力福島第1原発事故による帰還困難区域のうち、来春の避難指示解除を目指す町内の特定復興再生拠点区域(復興拠点)について「避難指示解除の目安となる年間20ミリシーベルトを十分に下回ることが確認された」とする検証結果をまとめた。21日、吉田栄光町長に報告書を提出した。町は町議会に報告した上で、解除に向けた住民説明会を開く方針。

 検証委によると、復興拠点の空間線量率の平均値は除染などにより、除染前の年間10ミリシーベルトから年間3.78ミリシーベルトに低減した。国が定める解除基準の年間20ミリシーベルトを下回っている。「線量率の低減が図られ、放射性物質による汚染環境は着実に回復している」とした。

 一方、被ばくへの不安を払拭するため、モニタリングや相談窓口の継続など、町民に寄り添った対策を続けるよう町に求めた。

 委員長の塚田祥文福島大教授が町役場で吉田町長に報告書を手渡した。吉田町長は「町民の放射線への不安解消に向けて今後も継続して対応し、国、県と解除に向けた取り組みを進めていく」と述べた。

 浪江町の復興拠点は室原、末森、津島の3地区の一部に設定された計661ヘクタールで、今年9月1日に準備宿泊が始まった。町によると、9月1日時点の準備宿泊の対象者は305世帯833人で、21日現在の準備宿泊の申込数は7世帯11人。