「時計で小高に活気を」埼玉から移住、ブランド設立

 
(写真上)南相馬市小高区で時計ブランドを始めた平岡さん。「時計でまちおこしをしたい」と抱負を語る(写真下)ウクライナチャリティモデルの腕時計

 南相馬市小高区に時計ブランドが誕生した。埼玉県から同市に移住した平岡雅康さん(44)が、腕時計製造を手がける新会社を設立し、21日に第1弾商品として「ウクライナチャリティモデル」を発売した。平岡さんは「日本には腕時計の中小企業があまりない。時計を通してまちおこしをしていきたい」と話している。

 ブランド名は「RAW.(ロウ)」。新会社「Fukushima Watch Company」では、平岡さんが一人でデザイン、設計、部品の組み立てと販売を行う。

 平岡さんは海外メーカーの時計を輸入する東京都の商社に勤務しながら、東北各地で震災復興ボランティアに携わってきた。小高を新たな時計作りの場に選んだ理由は「空気や水がきれいで、精密機器にほこりが入りにくい」ため。ボランティアではなく本格的に復興に携わりたいという思いも移住の決め手となった。

 また、市内にある福島ロボットテストフィールドに抱いた「工業のまち」というイメージも背中を押した。「精密機器を製造する工場が今後進出してくれば、地元産の部品で完全に時計を作ることができる。可能性しか感じない」と話す。

 ブランド第1弾の時計は、ウクライナ国旗をモチーフにし、シンプルな文字盤が特徴。原発事故を経験したウクライナと小高区の住民が交流していることを知り、小高からウクライナの平和を祈ろうとデザインした。ブランド名は英語で戦争を意味する「WAR」の文字列を逆にしたもので「戦争反対」の意味を込めている。

 価格は2万2000円。売り上げの20%はウクライナの支援活動に寄付する。

 平岡さんは「震災がなければブランドをつくることもなかった。福島を日本のジュネーブ(スイスの腕時計産業が盛んなまち)にしたい」と意気込んでいる。注文は公式オンラインショップ(https://fukushima-watch.shop)で。