市長、教育長が直接謝罪 福島市いじめ和解、元男児は心境複雑

 
福島市との和解を受け、記者会見する元男児(右)ら=22日、福島市

 福島市の市立小学校で起きたいじめ問題の市や市教委の対応を巡り、いじめを受けた当時の男子児童(15)側と市側が和解合意したことを受け、木幡浩市長と佐藤秀美教育長は22日、元男児に直接謝罪した。元男児は同日、市内で記者会見し「市長と教育長の謝罪があったからといって心の傷は治らない」と複雑な心境を吐露した。

 元男児は小学5~6年生の時、いじめや担任教諭の不適切な対応によって不登校が続いた。小学校卒業後も中学校に通学できなくなり、自殺を図ったという。

 元男児は会見で、謝罪を受けたとはいえ「自分の立場を守るための謝罪ではないかと感じ、がっかりした気持ち」と胸の内を明かし「本当であれば当時の担任やいじめに関わった人に謝ってほしかった」と語った。

 会見に同席した父親(46)は「こちらが求めていた謝罪ではなかった」としつつ「今後は組織一体となって、いじめ問題に対応してほしい」と訴えた。

 代理人弁護士によると、和解内容には市長らによる謝罪のほか、市が180万円の解決金を支払うことや当時の学校関係者らを処分することが含まれている。

 市教委が1月に設置した第三者委員会が調査報告書をまとめて以降、元男児側は市や市教委などに、当時の学校関係者の謝罪や処分などを求めていたが、市側は一部で応じなかったという。このため、元男児側が県弁護士会示談あっせんセンターに申し立て、10月末に和解することで合意した。

 「元男児の歩みサポート」

 木幡市長は22日、元男児に謝罪した後、記者会見し「長い期間にわたりつらい思いをさせ、市としていじめへの体制に不備があったことを謝罪した。和解で全てが解決するわけでなく、元男児が前に歩み出していけるようにサポートしていく」と語った。

 市は12月議会に和解に伴う関連議案を提出し、議会の議決を得る方針。さらに、市は関係者の処分を検討している。

 市は、いじめ問題への対応を改善するため、市長と教委が共同で12月にも有識者会議を設置し、組織的にいじめ問題への対応や支援を行う連携体制を構築していく方針だ。