児童生徒の学力伸長 福島県教委独自テスト結果、小4~中2対象

 

 県教委は22日、県内の公立校に通う小学4年~中学2年を対象に本年度実施した独自テスト「ふくしま学力調査」の結果を発表した。昨年度も調査を受けた小学5年~中学2年のうち、各学年で国語は約5~8割、算数・数学は7割前後の児童生徒が学力を伸ばした。県教委は「学級や個人ごとに背景を分析し、よく伸びた学校の取り組みなどを共有して全体の底上げにつなげたい」(義務教育課)としている。

 2019年度に始まった調査は、今回初めて全学年の経過が分析できるようになった。学力が伸びた割合は国語、算数・数学とも小学6年が最も高かった。平均正答率は国語は小学6年の62.3%、算数・数学は小学5年の62.8%が最高だった。

 学力レベルの分布をみると、国語は一定の学力までは自然に身に付く傾向にあるが、小学5年~中学2年の中位層の伸びが少なく、県教委は「自分の言葉で相手を説得させるなど、言語能力の向上が求められる」とした。

 算数・数学については、中央より下の層が小学4年は18.8%、小学5年は27.7%で3割に満たないのに対し、中学2年は52.1%に達するなど学年が上がるほど割合が増加。県教委は「算数・数学は積み重ねが大事。低学年からの指導と、つまずいた時点の支援で早期に解消していくことが必要」としている。

 調査は、児童生徒一人一人の学力の伸びや、学習意識の変化などを把握するため実施。今回は4~5月に小学校402校計4万645人、中学校215校計2万7484人が受けた。問題の難易度を各学年でそれぞれ21段階に分け、「どのくらい難しい問題を解く力があるか」で学力の伸びや学力を判断。難易度を数値化することで、前年度と比較し学力の伸びやレベルを分かるようにしている。

 学力レベルと伸びグラフに

 県教委はふくしま学力調査の分析に役立ててもらおうと、個人の伸びと学力レベルをグラフにできる「グラフ化ツール」を初めて作成した。連携している宮城教育大の協力で作成し、年内に全公立小中学校にデータを配布する。

 同ツールは、データを基に各校が、個人ごとの各科目の学力レベルと伸び幅を棒グラフにする。「学力は高いが伸びが小さい」「学力は高くないが伸びが大きい」「一方の科目だけ伸び悩んでいる」など、児童生徒の傾向を一目で把握できる。県教委は各校で活用し指導につなげるほか、研修支援チームの派遣や、学力を伸ばした学校や教員の取り組みを共有するなどして学力向上に取り組む。

 分析に協力した宮城教育大大学院の田端健人教授は「まずは成果を見つけることが大事。成果につながる要因を推定し、指導の『強み』として大切にして」とコメントした。

 調査では、児童生徒に授業や生活に関するアンケートも実施した。「授業の始めに、どんな学習をするのかつかんでから学習に取り組んだことがあるか」「授業で学んだことが、以前に学習した知識とつながったことがあるか」などの質問に、「よくあった」と回答した児童生徒は、学力レベルが高い傾向にあった。

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グラフ化ツールのサンプル。縦の番号が個人を示し、学力の伸びなどが分かる