東北電力、32.94%値上げ申請 家庭向け平均、1カ月2717円増

 

 東北電力は24日、大半の一般家庭が契約する「規制料金」で平均32.94%の値上げを経済産業省に申請した。経産省の審査を経て来年4月からの実施を目指す。燃料価格の高騰などを受けた措置で、電気料金を全面的に見直した。これに伴い国の認可が不要で一部の家庭などが利用する「自由料金」も引き上げる。

 規制料金は利用者の多いプラン「従量電灯B」の標準的なモデル(契約電流30アンペア、使用電力量260キロワット時)で1カ月当たり2717円増の1万1282円となる見込み。値上げ幅は審査過程で圧縮される可能性がある。使用電力量が増えるほど値上げ幅が大きくなる。1キロワット時当たり平均で14.21円の値上げとなる。

 自由料金は来年4月から料金単価や割安な夜間料金が高くなる。個々の使用状況によって異なるが、モデルケースで9~22%程度上昇する。12月分の料金(11月検針日以降の電気使用)からは燃料費の上昇分を上乗せできる上限も撤廃しており、実質的には2段階での値上げとなる。

 ロシアによるウクライナ侵攻など石炭や液化天然ガス(LNG)の価格が高騰し、電気を売るほど損失が生じる「逆ざや」に陥っている。昨年2月と今年3月の地震で火力発電所が被災した影響もあり、業績が悪化。2022年4~9月期連結決算は00年度以降で最大となる純損失1363億円の赤字を計上した。

 樋口康二郎社長(国見町出身)は仙台市で記者会見し「大幅な値上げは心苦しい。ただ、今は非常事態。このままでは電力の安定供給に影響を及ぼしかねない」と述べた。人件費の削減や熱効率の高い火発の運転開始など経営の効率化を図り、電気料金の値上げに理解を求める方針だ。

 東北電の抜本的な値上げは東日本大震災後で業績が悪化した13年9月以来9年ぶり。前回は平均11.41%の値上げを申請し、平均8.94%に圧縮された。

 他電力も申請へ

 規制料金の直近の値上げ申請は大手電力で初めて。北陸、中国、四国、沖縄の4電力は来春の値上げを目指し、11月中に申請するとみられる。東電は12月以降の申請を検討している。

 政府は電気料金を2割程度抑制する負担軽減策を導入するとしているが、東北電の申請額はその水準を上回る。他電力でも大幅値上げが相次げば、政府支援の効果は薄れそうだ。