高品質の水稲種子安定供給へ 体制再構築を目指し協議会設立へ

 

 水稲種子の供給体制の再構築に向け、県米改良協会や生産関係団体などは本年度、「水稲種子生産供給体制再構築推進協議会(仮称)」を設立する。生産者の高齢化や後継者不足、設備の老朽化などの課題がある中、2032年度までに高品質の水稲種子の安定供給に向けた体制の再構築を目指す。構成団体は現在検討中だが、県やJA福島中央会、全農県本部などを想定している。

 県内には現在、八つの生産組織があり、県オリジナル品種など県奨励品種11種の種子を毎年約2000トン生産し、県産米の基盤を支えている。ただ、同協会や県内5JAなどでつくる「県における主要農作物種子の将来的な生産・供給体制のあり方検討委員会」が種子生産者234人を対象にしたアンケートでは、60代以上が全体の70%を占めた。さらに45%が後継者不在と答えた。

 種子の乾燥や不純物を取り除く作業などをする種子センターの設備も老朽化しており、施設の約6割を随時改修しながら使用している状態だ。改修や整備には多額の費用がかかることからJAの独自資金での実現は困難で、現在の種子供給体制が維持できなくなる懸念があるという。

 設置する協議会では、検討委が11月に策定した再構築計画を基に具体的な取り組みを検討する。計画には、農機の共同利用や種子センターの統合整備、注文や契約の仕組みの見直しによる流通改善などが参考例として盛り込まれており、27年度までの5年間を重点期間と位置付け、老朽化している種子センターの更新・整備に向けた計画の策定や種子の流通改善、後継者育成に向けた取り組みを進める。県米改良協会の担当者は「安定的な種子の供給に向け、再構築を目指して取り組みたい」としている。

 県に8団体が要望

 全農県本部など8団体は22日、水稲種子の生産・供給体制の再構築に向け、県に将来の種子生産供給体制の具体的な検討の推進などを要望した。渡部俊男本部長らが県庁を訪れ、小柴宏幸農林水産部長に要望書を手渡した。