「農の脱炭素」3町がトヨタと連携 循環型構築、バイオ燃料研究

 
協定書を取り交わした(左から)海田センター長、吉田浪江町長、伊沢双葉町長、吉田大熊町長=22日午後、双葉町役場

 トヨタ自動車(愛知県豊田市)と、大熊、双葉、浪江の3町は22日、二酸化炭素(CO2)排出実質ゼロを目指すカーボンニュートラル(CN)の実現と復興に向けた連携協定を結んだ。4者は2020年代半ば以降、低炭素な循環型農業や、肥料と飼料の地産地消による輸送時のCO2削減などの取り組みを進め、農業復興やCO2を削減できるバイオエタノール燃料の研究にもつなげる。

 東京電力福島第1原発事故により遊休地化したり、除染で地力が低下したりした大熊、双葉両町の農地を活用。バイオエタノール燃料の原料となるイネ科の植物「ソルガム」などの飼料作物を栽培し、地力回復を図る。

 また収穫した飼料作物は、浪江町と県酪農業協同組合が同町棚塩地区に25年度の完成を目指している復興牧場で牛の飼料として使用。牛のふんを農地に提供する循環型農業の構築を進める。

 トヨタは農業分野の研究で培ってきた技術を導入し、土壌成分の計測と分析、ドローンによる成育状況の把握などに取り組む。

 将来的には、トヨタやENEOS(エネオス)など民間6社でつくる「次世代グリーンCO2燃料技術研究組合」が、大熊町の大熊西工業団地に整備を計画する研究施設で、バイオエタノール燃料の効率的な生産システムの研究を目指す。

 締結式は双葉町役場で行われ、吉田淳大熊町長、伊沢史朗双葉町長、吉田栄光浪江町長、海田啓司トヨタ自動車CN先行開発センター長が協定書に署名した。

 海田センター長は「CN実現には多様な選択肢を確保することがエネルギーの安定供給につながる。トヨタが育ててきた植物栽培や燃料に関する技術をこの地で鍛えさせていただきたい」と話した。3首長は「農業復興とCN実現に大きく寄与する」などと取り組みに期待した。

「農の脱炭素」3町がトヨタと連携