平和願う「第九」響く 若松で松江豊寿生誕150年記念

 
松江豊寿の志を胸に「第九」を歌い上げる出演者たち

 第1次世界大戦中の板東俘虜(ふりょ)収容所(現・徳島県鳴門市)でドイツ兵捕虜によるベートーベン「交響曲第9番」のアジア初演に導いた収容所所長・松江豊寿の生誕150年を記念した「会津第九演奏会2022」は25日、会津若松市の會津風雅堂で開かれた。出演者が会津若松市出身で捕虜を人道的に扱った松江の志を胸に、平和な世界を願う「歓喜の歌」を響かせた。

 会津第九の会の主催。同会は3年に1回「第九」の演奏会を開いているが、新型コロナウイルスの影響で4年ぶりの開催となった。会津各地から集まった約70人の合唱団が出演したほか、いずれも会津ゆかりのソリスト田崎美香さん(ソプラノ)、星由佳子さん(メゾソプラノ)、伊藤達人さん(テノール)、大島嘉仁さん(バリトン)が独唱した。指揮は会津美里町出身の渡部勝彦さん、管弦楽は会津市民オーケストラが務めた。

 演奏会はオーケストラの演奏で始まり、最終楽章の4楽章で合唱と独唱が加わった。「全ての人類は兄弟になる」という世界平和の精神をドイツ語の歌詞に込め、出演者が一体となって重厚で迫力あるステージをつくり上げた。

 演奏会に先立ち、同会の小熊慎司会長が「鳴門の人々と松江豊寿の信念」と題して記念講演した。