若元春が小結昇進 31年ぶり兄弟同時三役

 
番付表を手に三役昇進を喜ぶ若元春(日本相撲協会提供)

 日本相撲協会は26日、大相撲初場所(来年1月8日初日・両国国技館)の新番付を発表し、福島市出身の若元春(29)=本名大波港、荒汐部屋=が小結に昇進した。昇進により弟の関脇若隆景(28)=本名大波渥(あつし)、荒汐部屋=とともに史上3組目の兄弟同時三役が誕生した。

 協会によると、兄弟同時三役の誕生は1992(平成4)年春場所での関脇貴花田(貴乃花)、小結若花田(若乃花)以来31年ぶり。一組目は89年春場所の関脇逆鉾(井筒親方)と関脇寺尾(錣山親方)。

 若元春は2011年九州場所で初土俵を踏んだ。今年1月の初場所で新入幕を果たし、左四つを武器に今年6場所中5場所で勝ち越した。直近では前頭6枚目だった秋場所と、前頭4枚目で臨んだ九州場所の2場所連続で10勝を挙げるなど、安定した成績を収めた。

 26日、オンラインで記者会見した若元春は初の小結昇進に驚きつつ「(来年の)初場所では自分の相撲を取り、強い三役になれるように頑張りたい」と意気込んだ。兄弟同時三役については「三男(若隆景)がいたからここまでやってこられた」と語った。

 若隆景は昨年の名古屋場所で小結となり、三役に昇進。新関脇となって臨んだ今年の春場所で初優勝を果たした。初場所の番付では6場所連続での東の関脇となった。

 元小結若葉山を祖父に持ち、父政志さんも元力士という「大波3兄弟」の次男が若元春、三男が若隆景。長男は同じ荒汐部屋で幕下の若隆元(30)=本名大波渡(わたる)。

 「三役らしい相撲と成績を出したい」

 26日に発表された大相撲初場所の新番付で、若元春が新小結に昇進した。3兄弟で刺激し合いながらつかんだ、弟の関脇若隆景との同時三役。若元春は家族や関係者への感謝の思いを胸に、角界でのさらなる活躍を誓った。

 「(今年は)躍進できた年だった。自分の相撲人生の中で間違いなく一番いい年にできた」。オンラインで開かれた記者会見で、今年1年をそう振り返った若元春。1月に新入幕となり、7月の名古屋場所こそ負け越すも、6場所中5場所で勝ち越すなど、着実に力をつけた。「幕内に上がれたことが夢のようだった。どこまで自分ができるか分からなかったので、とにかく全力だった」

 活躍の原動力となったのは家族の存在だった。2020年に結婚し、今年5月には第1子となる長女が誕生。「やっぱり頑張らなきゃいけないなと感じ、さらに気持ちが入るようになった」と心境の変化を明かす。妻の支えも大きかった。体重が落ちやすいため、夜食を食べて体重を保つようにしているが、過去には面倒くさがって食べなかったこともあったという。しかし現在は「夜食を妻が作ってくれるので体重をキープできている」と充実ぶりを語った。

 若隆景は昨年7月の名古屋場所で新小結に昇進し、今年3月の春場所で初優勝を果たすなど大きな結果を残した。「腐りそうになった時もあったが、兄と弟がいたから続けることができた」と若元春。毎日懸命に努力を続け、先を行く若隆景を追い続けた。兄弟であり、ライバルでもある弟や兄若隆元と共に駆け上がってきた。

 来年の初場所は兄弟同時三役として臨む。「兄弟でやっていると弟とセットで見られると思う。注目が集まる分、足を引っ張らないようにしたい。三役になったからには、三役らしい相撲と成績を頑張って出したい」。新たな思いで、新春の土俵に上がる。(副島湧人)

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 若元春(わかもとはる=本名大波港)福島市出身、荒汐部屋。学法福島高から11年九州場所初土俵。19年春場所新十両。22年初場所新入幕。祖父は元小結若葉山、父は元幕下若信夫。関脇若隆景は弟で、幕下若隆元は兄。得意は突き、押し、左四つ、寄り。186センチ、135キロ。29歳。