「世界から一定の信頼を」 東電社長、海洋放出へ考え示す

 
福島第1原発で年頭あいさつする小早川社長

 東京電力の小早川智明社長は4日、福島第1原発で発生する処理水の海洋放出方針を巡り、国内外の理解醸成について「理解がどのような状態にあるかを判断したり、表現したりするのは困難だ」との見解を示した。政府と東電は今春ごろに放出を始める方針を崩しておらず、国内外の理解を得られたのか、どのように判断するかが焦点となる。

 小早川氏は第1原発で社員に向けた年頭あいさつに臨んだ後、報道陣の取材に応じた。小早川氏は理解醸成に向けた現状を「さまざまな懸念に対し、一つ一つ丁寧に(説明を)積み重ねている途中」と説明。放出に際しては「世界から一定程度の信頼を得られた状態をつくり上げることが重要だ」と語り、放出開始後も透明性を持った情報発信などを続けて安心を担保していく考えを改めて示した。

 年頭あいさつで小早川氏は管理職約100人を前に浪江、富岡、飯舘3町村の特定復興再生拠点区域(復興拠点)で今春ごろに避難指示解除が控えていることを念頭に「住民が安心して帰還することが復興の要となる。廃炉作業の安全と品質を確保し、安心してもらうことが何よりも大切だ」と述べた。

 小林喜光会長はオンラインであいさつ。高原一嘉福島復興本社代表が「グループ一丸で賠償の貫徹に向けて全力で取り組む必要がある」と訓示した。