賠償基準、月内に提示へ 被災6町訪問で東電社長

 

 東京電力の小早川智明社長は4日、福島第1原発事故による損害賠償の対象拡大などを盛り込んだ中間指針の見直しを受け、自社の賠償基準を月内に提示する考えを示した。年始のあいさつで大熊、双葉、富岡、楢葉、広野、浪江の6町を訪れた際に明らかにした。

 文部科学省の原子力損害賠償紛争審査会(原賠審)は昨年12月、これまでの集団訴訟で従来の指針を上回る賠償が認定されたことを受け「第5次追補」として中間指針を見直した。東電はこれを踏まえ、自社の基準を作るとみられるが、被災自治体からは東電の対応を懸念する声が相次いだ。

 大熊町の吉田淳町長は小早川氏に「指針は最小限の賠償基準であることを改めて認識し、被害者の視点に立って賠償してほしい」とくぎを刺した。双葉町の伊沢史朗町長は「被害実態に即した賠償を確実に行うよう再三求めているが、真摯(しんし)に応じているとは言いがたい。加害者としての責任を全うすべきだ」と訴えた。

 小早川氏は福島民友新聞社などの取材に「中間指針で提言された中身を具体化することが最優先。県南地方などの部分も(追加賠償の対象となるよう基準に)反映したい」と述べた。

 このほか、首長らからは安全で着実な廃炉の進展や廃炉作業への地元企業の参画を求める意見があった。