風評の原因や実態解説 伝承館研究員、双葉で中高生向け講座

 
参加者に講話する関谷氏

 双葉町の東日本大震災・原子力災害伝承館上級研究員で東大大学院情報学環総合防災情報研究センター准教授の関谷直也氏は昨年12月26日、町産業交流センターで講座を開いた。東京都や関西圏から訪れた中学、高校生を対象に「東京電力福島第1原発事故の社会的影響―風評被害のメカニズムと11年目の現状」と題して講話した。

 講座は同館が本年度から始めた事業で、高村昇館長や上級研究員が講師を務め、放射線被ばくと健康影響、原子力防災、復興と廃炉の社会科学などそれぞれの専門分野で講義を行う。今回は6回目の最終回で報道機関に公開された。本県に合宿に訪れた筑波大付属駒場中・高(東京都)、灘中・高(兵庫県)、高槻中・高(大阪府)から約40人の中学生、高校生が受講した。

 関谷氏は原子力に関わる風評被害の歴史や課題などを解説。原因については情報過多社会、安全社会、流通社会の三つを上げた。人の心理により流通が変化し、その流通が簡単に戻せなくなった状況にある本県の苦難などを紹介した。

 また関谷氏は県産品に対する国内外の意識調査について説明。事故直後のイメージが払拭されないことを課題に上げ「情報をアップデートし、科学やイメージよりも『事実』を伝えていくことが重要だ」と話した。