「サイバー犯罪対策課」新設 福島県警が23年春、悪質化に対応

サイバー犯罪の対応力強化に向け、県警は4月、本部の生活環境課にあるサイバー犯罪対策室を課に格上げし「サイバー犯罪対策課」として新設する。児嶋洋平本部長が6日の年頭記者会見で明らかにした。
県内ではサイバー犯罪に関する相談件数、摘発件数とも増加傾向にあり、今後悪質化が予想されることから、児嶋本部長は「捜査力向上やセキュリティー対策の普及に向けた体制を強化する」と述べ、課の新設で県民の安全・安心の確保につなげる考えを示した。
県警が本部に課を新設するのは2021年4月の少年女性安全対策課以来。詐欺や悪質商法などサイバー犯罪に関する22年の相談件数は約5千件で、前年から700件以上増加した。サイバー事件の摘発件数も暫定値ながら191件、166人と前年に比べて35件、83人増えるなど対策が急務となっている。
人数などの体制は今後検討するが、高い専門性を生かして一線署などの現場に応援に入るほか、被害防止の啓発や人材育成でも中心的な役割を担う。さらに同課以外の職員を対象に知識や技能向上に向けた研修なども検討している。
福島県警、初動捜査の人員充実
県警が4月に行う組織改編では、サイバー犯罪対策課を新設するほかに、刑事総務課内に「捜査支援分析室」を新設するなど既存4課の体制強化も図る。重大事件や重大事故が発生した際、初動捜査に当たる人員を充実させ、「スピード感」や「正確性」を高めることなどが目的だ。
このほかの組織改編は、交通指導課内にある「交通機動捜査・鑑識係」の体制強化をはじめ、新設する外事課内の「経済安全保障対策室」と教養課内の「術科指導室」。
このうち捜査支援分析室は、重大事件が発生した際に防犯カメラやドライブレコーダーなどの客観的証拠の回収・分析、手口捜査分析などを担い、各署を支援する。
交通機動捜査・鑑識係は、本部に置く係員を3交代制とし、24時間体制とする。重大交通事故が発生した際、すぐに現場の応援に入り現地の署員と連携して活動。現場の証拠収集能力を高め、高い専門性を生かして各署に助言していく。
経済安全保障対策室は、県内の企業や研究機関が持つ技術流出の防止に向けた取り組みを強化する。術科指導室は、現場警察官の執行力強化に向けて逮捕術などの指導強化を図る。
児嶋洋平本部長は6日の年頭記者会見で、組織改編について「組織として一つの形を大きくつくることで、組織全体の業務も運営しやすくなり、結果として捜査員などの集中的な運用も可能になる」と話した。
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