福島県、教育旅行バス助成最多 訪問先に定着、22年1200件超

 

 教育旅行で本県を訪れる県外の学校を対象に県が実施しているバス代の助成について、本年度の実績(助成件数、宿泊人数)が過去最多を更新したことが分かった。県は新型コロナウイルス禍で各校が行き先を模索する中、教育・文化施設などが充実する本県の評価が高まりつつあると分析。低迷する教育旅行の回復に向けアピールを続ける構えだ。

 バス代の助成事業は、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の影響で激減した県外からの教育旅行の回復などを目的に2015年度に始まった。東北、関東・中部、北海道・関西・中国・四国、九州・沖縄の4区分で1台当たり3万~15万円を補助しており、浜通りに宿泊した場合は1万円を上乗せする。

 昨年11月末現在の助成件数は1283件、宿泊人数は14万7612人に上り、件数で昨年度の997件、宿泊人数では19年度の13万27人を上回った。1283件のうち継続は1007件と8割に迫り、県は本県が旅行先として定着しつつあるとみる。

 目的別では歴史学習・伝統工芸体験・異文化体験が857件と最多で、環境学習・自然体験632件、スキー体験189件、震災学習・ホープツーリズム188件と続く。当初の旅行先を海外としていた学校がコロナ禍で変更を強いられ、英国文化を体験できる宿泊施設・国際研修センター「ブリティッシュヒルズ」(天栄村)を選んだ例もあり、本県の多様な受け入れ態勢が評価された形だ。

 ただ、本県の教育旅行の入り込み数は苦戦が続いている。震災前までは約8000校、70万人前後で推移していたが、11年度は約2000校、約13万人に減少。その後は回復傾向にあったが、新型コロナの感染が拡大した20年度は1823校、9万9361人と過去最低を記録、昨年度もコロナ禍前の水準には至っていない。

 教育旅行の回復では継続した来県を促す取り組みに加え、新規校の獲得も重要になる。このため県は本年度、20都道府県の旅行会社の担当者向けにオンラインで説明会を開催。モニターツアーによる情報発信にも力を入れており、「コロナ禍前や震災前の水準に回復させるためにも手厚い補助制度と(教育旅行先として)充実した環境を持つ本県の魅力を広く発信していきたい」(観光交流課)とした。