園児の成長へ「里山園庭」完成 いわきのこども園、五感を育む

 
完成した里山園庭で元気に遊ぶ園児たち=いわき市・さとがおかキンダーガーデン

 いわき市郷ケ丘の幼保連携型認定こども園「さとがおかキンダーガーデン」に自然の里山を再現した園庭「里山園庭」が出来上がり、週明けから本格的な利用を始める。高さ約2メートルの山を囲むように多様な草木が生い茂り、園児が自然と触れ合いながら遊びを楽しむことができる。前山成子園長(67)は「子どもたちに五感を育んでほしいとの思いを込めた」と園児の伸びやかな成長を期待している。

 園庭は広さ1800平方メートル。中心部につくられた山はスロープや階段で上り下りできたり、トンネルで下をくぐることができる。その周りにはヤマザクラやアオダモなどが植えられた。

 「自然の中で体と頭を使って遊ぶことで、子どもたちの創造性が養われる」と前山園長。園児の豊かな発想を促すため使い方を制限しない設計にしたといい、滑り台の代わりとしても使えるスロープや、平均台に見立てて上を渡れるように横たわった木を置いた。

 園庭の中心には以前も山があったが、約4年前に園舎を建て替えた際に園庭をならしたため、改築後は園児の遊びが単調になっていたという。利用していた近くの裏山が住宅地に変わったことなども重なり、新たな園庭の整備が決まった。

 工事を担ったのは、県内外で造園を手がける石川町の仲田種苗園。同社が得意とする寄せ植えの技術をふんだんに取り入れた。園庭工事の施工は初めてだったため、仲田茂司社長(65)が着工までに10回以上も現地を訪れ、園児の生活ぶりを観察して設計に生かした。

 昨年12月に完成し、仲田社長は「造園は美しく見せるものだが、今回はどうしたら子どもたちが楽しくなるかを考えた。使う人とコミュニケーションを取る中で庭を造ったことも今までになく、貴重な経験だった」と振り返った。

 本格利用に先立ち同園は7日の会議で、危険な遊びを防ぎ、環境を保つためのルールを定める。一般開放は予定していない。前山園長は「園児の心の糧となる園庭に仕上がった。里山園庭での遊びを原体験にして大きく育ってほしい」と話している。