復興拠点外居住へ新区域 住民帰還へ政府が設定調整、国費除染

 

 東京電力福島第1原発事故に伴う帰還困難区域のうち、先行的に除染している「特定復興再生拠点区域」(復興拠点)以外への住民帰還に向け、政府が新たな区域を設定する方向で調整していることが7日、分かった。国費で除染する「特定帰還居住区域」(仮称)を盛り込んだ福島復興再生特別措置法改正案の通常国会提出を目指す。

 新たな居住区域は、放射線量が一定基準以下に低減していることや、復興拠点と一体的にまちづくりができることなどを要件とする。住民の意向を踏まえ、市町村長が区域の範囲などを盛り込んだ計画を作り、国が認定する案が有力となっている。

 復興拠点制度は2017年の福島復興再生特措法改正で創設。復興拠点は6町村で設定され、うち葛尾村と大熊町、双葉町では昨年、避難指示が解除された。残る富岡町と浪江町は今春ごろ、飯舘村は大型連休ごろの避難指示解除を目指し、インフラ整備や準備宿泊などが進められている。6町村のほか、南相馬市も帰還困難区域を抱えている。

 与党や地元自治体からは、復興拠点外についても希望者の居住再開に向けた対応を求める声があり、政府は希望者全員の帰還を20年代に実現させる方針を掲げている。

 ただ具体的な避難指示解除の時期は未定。拠点外の除染は住民の意向を確認した上で、24年度から本格化させる。復興庁は23年度当初予算案に関連経費60億円を計上し、大熊町と双葉町の一部の除染を前倒しで開始する方針だ。両町で先行して除染を進めることで、復興拠点外に住民が戻るモデルケースとしたい考え。