東北医療功労賞に岡本さん 元県作業療法士会長、リハビリで貢献

 
資料を示しながら活動内容を振り返る岡本さん

 地域医療や保健福祉に長年尽力した人に贈られる第51回医療功労賞の東北地方表彰の受賞者が決まった。福島県から元県作業療法士会長の岡本宏二さん(62)=郡山市、ふくしまをリハビリで元気にする会理事長=が選ばれた。

 岡本さんは作業療法士として、県内の病院で病気やけがを負った人などのリハビリを長年担ってきた。東日本大震災後の2012(平成24)年には、ふくしまをリハビリで元気にする会を発足させ、原発事故の影響で屋外での遊びが制限される発達障害児らに屋内での遊びを提供するなどして健全育成に貢献してきた。

 医療功労賞は、困難な環境の下で地域住民の健康増進などのために働く医療従事者をたたえる。本年度から表彰形式が変わり、これまでの都道府県別から、全国8地方厚生局・支局別での地方表彰となった。

 東北地方の表彰式は16日、仙台市で行われる。医療功労賞は読売新聞社の主催、福島民友新聞社の共催、厚生労働省、日本テレビ放送網の後援、アインホールディングス、JCRファーマの協賛。

 発達障害児に遊び提供

 第51回医療功労賞の東北地方表彰を受賞した元県作業療法士会長の岡本宏二さんは、東日本大震災後の発達障害児の健全育成などに長年貢献してきた。

 県内各地の体育館などを利用して発達障害児に遊びを提供する「あしかの遊びの会」は初開催から約11年が過ぎ、開催回数は40回を超えた。スタッフは岡本さんをはじめ、知り合いの学生や保育士らで、いずれもボランティア。岡本さんは「人生を通じてさまざまな人に助けてもらった恩を、誰かに返したいとの思いだった」と始めたきっかけを振り返る。

 新潟市出身。国立犀潟(さいがた)病院付属リハビリテーション学院(新潟県)を卒業後に作業療法士となり、同じく作業療法士で恩師の太田睦美さん、美津子さん夫妻の縁で本県へ。竹田綜合病院(会津若松市)などに長年勤務し、患者らを支えてきた。

 生活動作や口腔(こうくう)ケア、畑仕事にゲーム―。子どもから高齢者、障害者といった幅広い人と向き合う作業療法の手段は多岐にわたる。2001(平成13)年から10年間、県作業療法士会長を務めると、地域の中でさらに作業療法の考え方が必要だと痛感した。そこで「ふくしまをリハビリで元気にする会」を12年に発足させて独立し、各地で療育指導などに当たることにした。

 現在は講演や指導で多忙な日々を過ごすが、放射線への不安を抱える保護者からの要望を受けて始まったあしかの遊びの会は、重要なライフワークだ。遊具などでの遊びについて「運動と感覚のやりとりは、子どもたちの脳への素晴らしい栄養になる」と岡本さん。「遊びの会のような機会がさらに増えるように、さまざまな人にノウハウを伝えたい」と今後を見据えた。