帰還新区域「分断生まず」 渡辺復興相、一体的な制度設計検討

 

 渡辺博道復興相は12日、特定復興再生拠点区域(復興拠点)以外への住民帰還に向けて政府が検討している「特定帰還居住区域」(仮称)を巡り、市町村からの要望を踏まえ、新たな居住区域の設定によって区域内外の分断が生じないように一体的な制度設計を検討していく考えを示した。

 就任あいさつのため大熊、双葉、南相馬、飯舘、富岡、葛尾、田村の7市町村で首長と面談後、田村市で報道陣の取材に答えた。渡辺復興相は、新区域の設定を巡り東京電力福島第1原発事故に伴う帰還困難区域を抱える自治体の首長から「できるだけ一体的な取り組みをしてほしいという話があった」と明かした上で「こういったことも踏まえ、しっかりと検討していきたい」と述べた。

 政府は復興拠点外について2020年代に希望者全員の帰還を目指しており、具体的な制度設計を進めている。国費で除染する「特定帰還居住区域」を新たに設定する方向で調整。新区域は、放射線量が一定基準以下に低減していることや、復興拠点と一体的にまちづくりができることなどを要件とする。住民の意向を踏まえ、市町村長が区域の範囲などを盛り込んだ計画を作り、国が認定する案を軸に検討している。このほか、各首長は渡辺復興相に対し、避難指示解除後の生活環境の整備や原発処理水の海洋放出を巡る責任ある対応、政府が4月に設立する福島国際研究教育機構の効果の波及、第2期復興・創生期間後の中長期的な財源の確保などを要望した。