渡部家住宅で餅つき 大熊・国有形文化財、首都圏の学生と交流

 
多くの若者が集い、大熊の文化財に親しんだイベント

 大熊町大川原にある国登録有形文化財の渡部家住宅で15日、新春もちつき大会が開かれた。明治初期ごろの雰囲気を伝える文化財に親しんでもらおうと企画され、町民、移住希望者、首都圏の学生らが集まり、にぎわいを見せた。

 町教委の主催、地方創生などに取り組むOriai(おりあい、東京都)の運営。同住宅は主屋、馬小屋、土蔵、もみ蔵、薬医門と塀の5件で構成される。主屋は明治時代初期に建築、1962(昭和37)年ごろに改修され、東京電力福島第1原発事故による全町避難まで住民が生活していた。

 この日は約60人が住宅の掃除や草刈りに汗を流した。餅つきは臼ときねで行われ、参加者が「よいしょ、よいしょ」とかけ声をかけていた。建物の歴史などについて学んだ後、思い思いに餅を味わった。

 所有者の渡部雅之さんは「両親はこの家に帰ろうとしていたが、避難先で亡くなった。その思いを継いで文化財として残したが、多くの若者が関心を持ってくれてうれしい」と語った。町教委は今後も、町内にある石田家住宅とともに、渡部家住宅の再生や活用を進めていく。