国内最大級の土偶付き土器か 柳津・池ノ尻遺跡出土の破片

 
接合された国内最大級とされる土偶付き土器の一部。口の部分で二つの土偶が向き合っている

 柳津町の「土器とくらしのミュージアム」(やないづ縄文館)で保管する土器片が、約5000年前の縄文中期に作られた国内最大級の土偶付き土器の一部とみられることが分かった。下の方は欠けているが、全体の高さは約70センチと推定される。専門家の間では「全国規模で会津の縄文文化を象徴する貴重な土器になる」と期待が高まっている。町教委が16日、発表した。

 土器片は2002(平成14)年ごろ、同町細越地区の畑(池ノ尻遺跡)を耕作中に出土、04年に町民から寄贈され、保管されたままだった。町文化財整理指導員の長島雄一さん(64)が昨年8月、保管されていた土器片を見つけ、文化庁の支援で始まった縄文土器の整理作業で接合したところ、最も大きいところで直径約61センチの深い鉢のような土器だったことが分かった。

 口の部分に向かい合う2体の土偶が付いているのが特徴で、互いの左腕に腕輪のような表現が施されている。頭頂部の渦巻きの表現は国宝の「縄文のビーナス」(長野県棚畑遺跡)と非常によく似ている。

 長島さんは「土偶が向き合って土器の中を見ているのであれば、中身を大事に見守る、外側からのものを排除するといった役割もある祈りだったのではないか。祈りによって生活を克服していく側面もうかがわせる」として、「土偶の祈り」を考えさせてくれる大事な資料であると強調した。

 県立博物館専門学芸員の高橋満さん(52)は「口の部分に土偶が胴体まできれいに収められているのは珍しい。当時の土器の中でも造形的な表現の素晴らしさが群を抜いている」と評価した。土器片は現在、仮修復中。町教委は「皆さんに一日も早く見ていただけるようにしたい」と保存上必要な修復を完了次第、公開を予定している。