いわきの殺害は通報前日か 77歳男性、顔など殴られたような傷

いわき市山田町堀ノ内の自宅の寝室で無職根岸三男さん(77)が殺害された事件で、根岸さんが110番通報の1日前の14日午前に殺害された可能性があることが17日、いわき南署捜査本部への取材で分かった。
捜査本部によると、16日に行った司法解剖の結果、根岸さんは死後2日ほどと推定された。根岸さんは内縁関係の女性(75)と、その娘(35)と同居していたが、娘が14日午前3時ごろに「トイレに入る根岸さんの姿を見た」と話しているという。そのため捜査本部は、同日午前3時から寝室で倒れている根岸さんが発見された15日午前9時30分ごろの間に殺害されたとみて捜査している。
根岸さん宅では、根岸さんは1階で、女性と娘は2階で主に生活していた。食事などはそれぞれ取っていて互いに干渉はなかったとみられる。根岸さんは日課のように午前4時ごろに散歩に出ていて、その際に自宅を施錠することは少なかったという。
また、根岸さんの死因は首を圧迫したことによる窒息とみられているが、首には何らかのもので絞められたような痕があったことも捜査本部への取材で判明。後頭部や顔などには殴られてできたような出血を伴う複数の傷があったという。通報後に最初に現場に救急隊が駆け付けた際、玄関のドアは無施錠だったという。窓ガラスは割られていなかった。
捜査本部は、外部からの侵入の形跡や、事件の前後に根岸さんに何らかのトラブルがなかったかなどを慎重に調べている。
親族「正月、普段と変わらず」
事件発覚から一夜明けた17日、現場の家に通じる道路には依然として規制線が張られ、捜査員が慌ただしく出入りしていた。
亡くなった根岸三男さん(77)の親戚で矢吹町の60代男性は、根岸さんの飼い犬に餌を与えるため現場を訪れた。男性は正月に根岸さんに会ったばかり。「会った時の様子は普段と変わらなかった。悩みがあったという話は聞いていない」と声を落とした。
正月に男性に会いに来たのは根岸さん1人で、同居する女性や娘は一緒ではなかったという。根岸さんの家庭内の様子は「3人それぞれの部屋に寝ていて、別々に過ごすことが多かったようだ」と語った。
不安そうに現場を見つめる住民の姿もあった。ある住民は「玄関の鍵をかけるように親戚から言われた」と明かした。近所に住む90代女性は根岸さんについて「何回か話したことがあり、気のいい人だった」と残念がった。
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