福島県産米の米国輸出合意、年間100トンへ 内堀知事「早期に」

 
県産米の輸出拡大に向けた連携について合意した(左から)管野会長、内堀知事、松元氏

 【米ロサンゼルス=報道部・渡辺美幸】県と全農県本部、米国などで量販店を運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)の3者は16日午後(日本時間17日午前)、県産米の米国への年間100トンの輸出に向け合意した。PPIHが米国で取り扱う日本産米は年間541トンに上り、同社はさらなる消費を見込んで販売量を増やしていく方針だ。

 内堀雅雄知事と管野啓二JA福島五連会長、PPIHの松元和博取締役・専務執行役員CMOがロサンゼルス市内で会談後、合意を発表した。県は原発事故に伴う輸入規制が撤廃された米国への県産米の輸出を本格化させ、年間100トンを当面の目標に販売プロモーションを強化。全農は県産米の安定供給を後押しし、PPIHは現地店での販売促進や市場開拓で連携する。「天のつぶ」を主軸に輸出拡大を図る。

 国内でドン・キホーテ、海外でトウキョウ・セントラルやマルカイ・マーケットなどの量販店を展開するPPIHは、米国で65店舗を運営しており、2025年度までに13店舗を新規出店する計画。現在はカリフォルニアとハワイで年間計約541トンの日本産米を扱っている。今後も弁当など中食用のコメを日本産に置き換えるなどして、扱いを増やしていく方針。

 内堀知事は「今後具体的な販売戦略を練ることになるが、できるだけ早期に100トンを確保できるように努力していく」と決意を述べた。管野会長は「安全・安心はもとより、しっかりと評価いただける福島のコメを生産し、安定的な供給に努める」と語った。

 松元氏は「販売プロモーションに積極的に協力する」と約束した上で「日本の食文化を支え、1次産業の基盤となるコメの海外の販路を拡大し、消費を増やすことが日本の農業を守ることにつながる」と述べた。天のつぶについては「販売するだけでなく、弁当や総菜、すしなどにバランス良く扱え、可能性が広がる」と話した。

 県によると、21年度の県産米全体の輸出量は約398トン。シンガポール(165トン)香港(113トン)マレーシア(104トン)で大半を占め、21年9月の輸入規制撤廃後の米国はJA会津よつばや民間企業など数団体による2.2トンにとどまる。

 内堀知事「天のつぶ」PR

 内堀雅雄知事と管野啓二JA福島五連会長、渡部俊男全農県本部長は16日午後(日本時間17日午前)、米ロサンゼルスの量販店で、輸出拡大を本格化させる県産米「天のつぶ」の店頭プロモーションを行った。食感や味が評価された一方で、価格の高さを指摘する声も聞かれた。

 パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)が運営する「トウキョウ セントラル ガーデナ」店で来店者に振る舞った。同店は県産米フェアを開催中で、天のつぶ(5キロ袋)を入り口付近に配置し、天のつぶを使った弁当などを販売している。

 週に2日はコメを食べるというジェーン・バスカスさんは「かみ応えがあり味もおいしい。デリカが充実しているので、早速買って食べようと思う」と話した。試食した人からは、粘りの少なさや歯応えを評価する声が聞かれ、商品をカートに乗せる消費者もいた。

 一方で、ケイシー・チェンさん(80)は5キロ23.99ドルの価格に「おいしいが、普段食べているジャスミンライスと比べるととても高い。もっと安ければ買おうと思う」と注文した。日本に2年間住んでいたという男性客は本県産米について「いろいろあったが、きちんと検査して信頼できる印象がある」と話した。

 内堀知事は、約3年3カ月ぶりに海外を訪問しての店頭プロモーションに「安全や信頼を感じてもらえる」と述べ、現場に赴いてのトップセールスを続けていく意向を示した。

 10店舗でフェア

 県産米のフェアは13~26日、カリフォルニア州の10店舗で開かれており、天のつぶが輸出されている。