英と子ども交流事業実施へ 双葉町派遣団、教育振興へ協力確認

【英イースト・ライディング・オブ・ヨークシャー州=浪江支局長・渡辺晃平】英国を訪れている双葉町の派遣団は17日(日本時間同日夜~18日未明)、英東部のハル市とビバリー町を表敬訪問した。伊沢史朗町長は2市町の首長と会談し、日英の子どもたちによる交流事業実施に向けた検討を進める方針を確認した。今後、友好都市締結に向けた調整も進める。
両市町でクリスティーン・ランドール市長、リンダ・ジョンソン町長とそれぞれ面会した伊沢町長は「素晴らしい青年教師を育んだ古里の皆さんに深く感謝したい。双葉町の復興のため今後も末永い友好関係を続けていきたい」と述べ、訪英のきっかけになった同町の外国語指導助手(ALT)、アンソニー・バラードさん(58)=ハル市出身=とフィリップ・ジェリーマンさん(41)=ビバリー町出身=の2人への感謝を伝えた。また友好都市締結を求める書簡を手渡した。
両首長は、町が提案した双葉町と両市町の子どもたちの交流推進による教育振興について「素晴らしいアイデアだ。双葉との絆を深めたい。交流事業に向けて学校や議会と話し合いたい」などとして協力する考えを示した。
ビバリー町では交流会も開かれ、参加したALTのフィリップさんの母ジェニファーさん(79)は「息子が遠くの日本で活躍することに、母として寂しく思う一方、家族の誇りだ。双葉町への忠誠心を大事にし、交流の絆をさらに築いてほしい」と喜んだ。
ICT活用学校視察
町の派遣団は17日、ハル市で情報通信技術(ICT)などを活用した質の高い教育を進めている学校「ブルバード・アカデミー」を視察した。
同校は2013年に設立された新しい学校で約30カ国から11~16歳の約700人の子どもたちが集い、それぞれの学びに応じた教育を展開している。伊沢町長らはジャニス・ミッチェル校長らから教育プログラムなどの説明を受けた。ミッチェル校長は本年度から「気候変動」をテーマにしたクラスができたことなどを説明、「環境問題を考える世界市民としての心構えを持ち、一人一人の行動が大きな変化につながる重要性を教えていきたい」と語った。
エリクセン氏は県産モモを「デリシャス」と絶賛したほか「みんな福島のモモがおいしいって言うから、どうしてもトライしたかった。食べてみたらとてもおいしくて、食べ過ぎて太ったよ」と語った。
新型コロナウイルスの感染拡大で東京五輪のソフトボールが無観客開催となったことについては「福島が美しく安全なことを世界に発信できなかったことが惜しまれる」「初めて福島に行った人は、福島で大災害があったとは思わないだろう」「われわれは福島の人々の復興の力を知っている」などと語り、その言葉は県民を勇気づけた。
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