福島県職員、担当外情報提供か 県工事贈収賄、入手法など捜査

 

 福島県発注事業を巡り県職員ら3人が逮捕された贈収賄事件で、収賄の疑いで逮捕された県中農林事務所農村整備課主査の男(44)=会津若松市湊町静潟字居穴前=が、自身が担当していない工事の入札の設計価格を業者に漏らしていた可能性があることが24日、捜査関係者への取材で分かった。県警捜査2課などは、主査の男が価格情報を入手した方法や業者とつながった経緯などを調べている。

 県や捜査関係者などによると、主査の男は2019~21年度に会津農林事務所(会津若松市)の農村整備課に勤務し、農業や土木事業に関する公共事業の設計・積算業務を担当。本来は個々の事業の担当職員以外は設計価格を知ることはできないが、主査の男は他の職員が担当する入札に関しても何らかの方法で情報を入手し、設計価格を業者に教えていたとみられる。

 事件を巡っては、主査の男から設計価格の情報を受け、謝礼として飲食やゴルフ代など約26万円相当を接待したとして、贈賄の疑いで会津坂下町の建設会社社長の男(45)=会津坂下町牛川字村中甲、同社取締役営業統括部長の男(59)=会津若松市一箕町松長=が逮捕されている。

 県の入札情報によると、主査の男が会津農林事務所に勤務していた19~21年度の同事務所発注工事の入札で、建設会社は辞退や無効を含めて計17件に参加し、計13件を落札している。県警は、このうち複数の入札で、主査の男が設計価格を漏らした可能性があるとみている。

 会津農林事務所によると、主査の男は19~21年度に計7件の入札を担当。このうち建設会社が落札したのは、20年度に入札が行われた農業用河川工作物応急対策工事1件だった。契約金額は2112万円、落札率は99.12%だった。

 地元住民や取引業者に驚き 「大きな仕事をしてた」

 「まちづくりに欠かせない業者」。会津地方でも有数の建設会社のトップらの逮捕から一夜明け、地元の会津坂下町の住民や取引業者には驚きが広がった。

 贈賄の疑いで2人が逮捕された会津坂下町の建設会社は1955(昭和30)年の創業以来、土木、建築工事などで着実に実績を積み重ねてきた。同社ホームページによると、町小学校のプールから災害復旧工事まで施工実績は多岐にわたる。近年は商業施設や各種大規模店舗の企画提案なども行っていたという。町内の同業者は「自分たちは受けられないような大きな仕事をしていた。同じ町の建設会社といっても付き合いがなく、立ち場が違い過ぎる」と話した。

 同社は一昨年、昨年とそれぞれ町に1千万円を寄付するなど地域貢献にも積極的だっただけに、ある町民は「町への貢献度、影響力は大きかったはず」とし、「町のイメージダウンにもなるのでは」と残念がった。

 社長とともに逮捕された同社の男は、十数年前に会津若松市の建設会社から中途入社し、現在は営業統括部長を務めていた。積極的に営業活動に取り組み、同市の同業男性は「強気で、物事を仕切るタイプ」だったとの印象を語った。