特別支援学級の在籍急増 福島県、教員の専門性習得が課題

 

 福島県内の市町村立小中学校で、発達障害などで特別支援学級に通う児童生徒が急増している。10年前の2013年度に比べ、小学生は約2.5倍、中学生は約2倍となり、学級数も小学校で約2倍、中学校では約1.5倍に増加した。個人によって障害の程度や必要な支援が異なる中、専門家は「児童生徒の支援を教員の工夫に頼っている部分がある」として、組織的な支援の必要性を指摘する。(報道部・柏倉南)

 ◆◇◇適切な就学環境

 県教委によると、本年度、特別支援学級に在籍する小学生は3616人(722学級)、中学生は1457人(326学級)で、推移は【グラフ】の通り。少子化の影響で児童生徒数が減少する中、小学校では20年度に3千人を超えた。

 特別支援教育を巡っては、13年に学校教育法が一部改正され、障害のある子どもの就学は、本人と保護者の意向をできる限り尊重することなどが求められるようになった。特別支援教育を専門とする福島大大学院の小檜山宗浩特任教授は現状について「(障害への)理解が深まり、より適切な支援を求める保護者の増加や障害の早期発見が考えられる」とする一方、適切な教育の実現に向けては「(特別支援学級の教員だけでなく)行政や学校のバックアップが必要」と強調する。

 ◇◆◇免許保有率45%

 特別支援学級の児童生徒は読み書きが苦手だったり、コミュニケーションがうまく取れないなど、学習や集団生活での困難を抱える。県教委は「特別支援学校(教育)の免許を持つ教員が担当するのが理想」とするが、特別支援学級などを指導する小中学校の教員のうち、特別支援教育の免許保有率は44.7%(21年度)にとどまる。

 県教委は、研修や人事交流などの取り組みを進めているが、担任を持つ教員が研修に行くのは難しいなど課題が多く、「教員がどのような研修を望んでいるのかも含め、ICT(情報通信技術)を活用した研修など、環境を強化することが必要だ」とする。

 ◇◇◆行政の支援急務

 小檜山氏は、特別支援教育の免許取得を進めていく必要があるとした上で、さらに「スペシャリストの育成」を挙げる。免許を持つだけでなく、障害の種別に応じた発達や特性を理解し、専門的な知識を持った「核」となる教員を配置することで、校内での教員へのサポートや学校の対応力向上につながると考える。

 幼稚園や認定こども園でも特別な教育や配慮を必要とする園児の割合が増加しており、昨年11月の県私学振興大会では、関係団体が県に対して障害児補助の柔軟な運用を求めるなど、特別支援教育への支援は急務だ。「配慮が必要な子どもの認識が広まっている。今が支援を強化するチャンスだ」と小檜山氏。全ての子どもが適切な教育を受けられるよう、教育現場の体制強化が求められている。