内科、外科、総合診療科 福島県検討、大野病院後継の診療科目

 

 東京電力福島第1原発事故に伴い休止している県立大野病院(大熊町)の後継病院について、県は9日、内科(循環器科、消化器科、糖尿病科)、外科・整形外科、総合診療科の設置を想定して検討を進める方針を示した。ただ、地元からは人工透析への対応を求める声があり、県は診療科の設置や県立南会津病院(南会津町)が福島医大と連携して実施している遠隔診療の導入も含め、対応を検討していく。

 9日、県庁で開かれた後継医療機関の在り方を検討する会議で、県病院局が示した。双葉郡の医療需要を検討した県の試算では、主な傷病としてがん(消化器系)、内分泌系疾患、循環器系疾患、呼吸器系疾患、筋骨格系疾患、外傷などが考えられるという。これを踏まえた内科、外科のほか、地域の医療機関との連携や在宅医療などを念頭にした総合診療科の設置を想定している。

 一方、双葉郡では2月現在で23医療機関が稼働しているが、泌尿器科、皮膚科、耳鼻咽喉科、腎臓内科(人工透析)、産婦人科に対応する医療機関はなく、県は「今後検討を要する」としている。診療内容や手術の実施の有無などにより麻酔科、放射線科の設置も検討する。

 会議では遠藤智広野、吉田淳大熊の両町長から、特に郡内で人工透析ができるよう体制整備を求める声が上がった。県は人工透析の実施には医師や技師ら医療人材の確保が必要として、民間の医療機関が進出しない場合は診療科の設置や遠隔診療の導入など必要な対応を検討するとしている。

 また、帰還する住民の多くが高齢者であることを踏まえ、基本的な医療機能として、回復期患者の受け入れや在宅医療、日常生活の継続支援などに対応するための地域包括ケアシステムの構築を支援する。行政や社会福祉協議会、介護施設など地域で連携し、介護環境の整備につなげたい考えだ。

 このほか「地域に根ざした医療」「救急医療の提供」に加えて災害医療、緊急被ばく医療、新興感染症への対応も盛り込んだ。

 5月に予定する次回会合では、入院に対応するかや外来のみとするかなど具体的な診療科、病床規模などについて議論する。診療科や病床については、医療資源を効果的に活用しながら段階的に整備・拡充するほか、民間の医療機関の進出なども支援していく方針で、9月に基本構想案を取りまとめる。