世界初...階段昇降ロボ販売へ クフウシヤ、いわきで実証試験

いわき市で実証試験が行われた「階段昇降ロボット」
福島ロボットテストフィールドに事務所を置くクフウシヤ(相模原市)は9日、いわき市で階段昇降ロボットの実証試験を行った。同社によると、階段を上り下りするロボットの製品化は世界初。高層ビルや駅などの階段の掃除や警備、点検、運搬などの活用を想定しており、3月にも完成させ、年内の販売開始を目指す。
ロボットは高さ65センチ、横40センチ、奥行き30センチ。移動や構造に関わる三つのユニットを制御し、伸び縮みや重心移動をしながら階段を昇降する。設計について既に特許登録済みで、ごみを取り込む装置を付ければ掃除用、カメラを装着すれば警備、点検用となる。主に企業向けに販売し、価格は100万円台後半になる予定。
同社は、県の補助金や福島イノベーション・コースト構想推進機構の支援を受け、2020年4月に開発に着手。当初は床の業務用掃除ロボの開発を進めていたが、企業間の競争が激しかったため、あまり注目されていなかった階段用のロボットに活路を見いだす。
実証試験はスパリゾートハワイアンズで行われた。施設を経営する常磐興産と機構が連携協定を結んでいたことから実現し、8、9の両日、コンクリートやビニールコートなどさまざまな条件で動作を確かめた。生産は主に南相馬市で行う予定で、大西威一郎社長は「メード・イン・浜通りのロボットを作り、産業振興の役割を果たしていきたい」と意気込んだ。