ごみ処理施設、CO2分離回収を実証へ 郡山市と川崎重工が連携

福島県郡山市は新年度から、川崎重工業(東京都)と連携し、同市のごみ処理施設「富久山クリーンセンター」の燃焼排ガスを固体吸収材に接触させるなどして二酸化炭素(CO2)を分離・回収する実証試験に乗り出す。品川萬里市長が10日、市役所で記者会見し、概要を発表した。
市や同社によると、ごみ処理施設から排出される燃焼排ガス中のCO2の分離や回収に、固体吸収法を利用するのは国内初。連携して富久山クリーンセンターの温室効果ガス排出ゼロを目指す。
同社の固体吸収法の工程は【図】の通り。排ガスを固体吸収材に接触させてCO2を吸収させた後、60度の低温蒸気を送ってCO2を脱着し、回収する仕組み。同社によると、回収したCO2は農業や工業分野で利用できる可能性があるという。
実証試験では新年度から2年間、固体吸収材の排ガスへの適用性を評価し、2025年度から小型実証試験の設備を使ってCO2の分解や回収の性能などを調べる。市と同社は3月、実証試験に関する協定を結ぶ方針。