起き上がる伝統、白河だるま市 3年ぶりにぎわい「来年も継続」

 
3年ぶりに福を求める家族連れでにぎわった「白河だるま市」=11日午前、白河市

 福島県白河市の初春の風物詩「白河だるま市」が11日、同市で3年ぶりに開催された。約1.5キロの特設会場には県南地方を中心とした特産品や工芸品などを扱う約450店の露店が軒を連ね、福を求める多くの人たちでにぎわった。

 白河だるまは、白河藩主松平定信が絵師の谷文晁(ぶんちょう)に図柄を考案、彩色させたとされる。「鶴亀松竹梅」が顔に描かれているのが特徴で、年々大きなだるまを買い増していく末広がりの縁起物として好まれている。

 会場では市内外から訪れた人たちが白河だるまを買い求めていた。鏡石町から家族で訪れた小学2年生の古藤(ことう)日向君(8)は「いろいろなお店があって、人もいっぱいでとても楽しかった」と満足げに話した。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で白河だるま市が中止となっていた一昨年と昨年は、佐川だるま製造所と白河だるま総本舗が各店舗でだるま販売会を開くなどして、700年続く地域の伝統を守ってきた。

 白河だるま総本舗14代目の渡辺高章さん(30)は「雪に負けず、これだけ多くの人が来てくれ、白河だるま市が地域にとってすてきなイベントだったと改めて感じた。来年以降も継続していきたい」と意欲を語った。