卒業式マスクなし容認 福島県教委方針、有無での差別防止通知

 

 今春実施される小中高校などの卒業式を巡り、福島県教委は13日、高校をはじめとする県立学校について、児童生徒、教職員はマスクを着用せずに出席することを基本とする方針を決めた。文部科学省がマスクなしでの卒業式を容認する通知を踏まえた対応で、新型コロナウイルス感染拡大前の2019年以来、4年ぶりに「マスクなし」の卒業式が実現する。

 県教委は13日、「マスクなし容認」の方針について、高校や特別支援学校など県内全ての県立学校に通知した。各市町村教委に対しても、小中学校などで県立学校の対応を参考とするよう知らせた。

 通知では、入退場や卒業証書授与、送辞、答辞、式辞など身体的な距離が確保されているとして、マスクなしを容認。一方で校歌斉唱や合唱などの場面では、マスクの着用など感染症対策を講じた上で実施するよう求めた。

 感染に不安を抱き、マスクの着用を希望する児童生徒もいることから、学校や教職員がマスクの着脱を無理強いすることがないようにし、児童生徒の間でもマスクの着用の有無による差別・偏見がないよう指導するよう通知した。

 来賓や保護者には「健康状態確認書」の提出とマスクの着用を求める。座席は着席を基本とした上で、触れ合わない程度の距離を確保するようにする。感染症対策上の参加人数の制限は不要とした。

 児童生徒、教職員、保護者、来賓を問わず、濃厚接触者やせきなどの症状が見られる場合は参加を控えるよう要請するとともに、換気など感染症対策を徹底した上での実施を求めた。

 県内の公立校の卒業式は、県立高校が3月1日、中学校が同13日、小学校が同23日に行われる。マスク着用を個人の判断に委ねる政府指針は、学校では4月1日から適用されるが、適用前の卒業式について「児童生徒らはマスクを着用せずに出席することを基本とする」としていた。