釈迦堂川流域、新年度に「特定都市河川」指定へ 国交省
東日本台風(台風19号)で大きな被害が出た阿武隈川水系の釈迦堂川流域について、国土交通省は新年度、防災施設整備などで国の補助を受けられる「特定都市河川」に指定する方針を固めた。福島県須賀川市で13日開かれた水害対策検討会で、福島河川国道事務所が指定に向けた手続きやスケジュールを示した。
同事務所によると、指定を受けた地域では、雨水をためる地下貯留施設などを整備する際に国の補助などが受けられる。また、範囲内で一定規模以上の開発を行う場合、事業者に雨水の貯水・浸透対策を義務付けることもできる。東日本台風など近年水害が多発、激甚化していることを受け、2021年の法改正で指定要件が緩和されていた。
検討会は、河川の流域全体で水害軽減を図る「流域治水」の推進を目指し、昨年3月に設置。同事務所や流域の7市町村、県などが特定都市河川指定を含めた治水対策を議論してきた。同事務所は今後、対象地域の住民らに指定範囲の案や制度概要などを周知する方針。同事務所の担当者は「県や各自治体と意見を共有し、手続きを進めたい」と話した。