生涯学習講座どこでも受講 福島県、23年度にウェブサイト開設

 

 県は新年度、県や市町村が開催している生涯学習講座の情報をまとめたウェブサイトを開設する。講座情報の検索機能や動画配信システムを盛り込むことを想定しており、居住地を問わずに受講できる講座情報を掲載することで、住んでいる場所や時間にとらわれない学びの機会を確保し、生涯にわたって学習し続けられる環境を充実させる。

 県は、県民なら誰でも受講できる「県民カレッジ講座」として〈1〉福島の学び〈2〉家庭・地域〈3〉社会・経済〈4〉自然・科学〈5〉技術・技能〈6〉芸術・文化〈7〉健康・スポーツ〈8〉国際交流・語学〈9〉その他―の9分類で講座情報をホームページに公開している。ただ、事業名や開催日時、場所などを列挙しただけの簡素化された構成で、例えば「福島の学び」では、116ある事業の中から受講したい講座を探し出す必要があった。

 ウェブサイトでは、学びたい分野や開催場所、日時などを検索できる機能を設け、受講につなげる。講師のプロフィルなども掲載する予定で、市町村には他の自治体を参考にしてもらい講座のマンネリ化の防止や改善を促す狙いもある。

 市町村の講座を巡っては、人出不足から講座数が限られるなど、偏りが生じており、県は複数の市町村で講座を共同開催できる機会の創出も見据えている。

 新型コロナウイルスの感染拡大でオンラインを活用した学びが普及し、一部市町村では動画を使った講座が開かれている。ウェブサイトでは、こうした動画を集約して公開することで、希望者がパソコンやスマートフォンなどで手軽に視聴でき、時間や場所にとらわれずに興味や関心がある分野の学びを深めることができるという。

 県は13日開会の2月定例県議会に、252万円の関連予算を盛り込んだ新年度一般会計当初予算案を提出している。事業運営に当たっては、国のデジタル田園都市国家構想推進交付金を活用する。県は「市町村間にあるノウハウの格差を解消し、県民の生涯学習の推進につなげていく」(生涯学習課)としている。