相次ぐ強盗事件...高まる防犯意識 未然防止へ関連商品売り上げ増

 
防犯カメラの種類などの説明を受ける買い物客。県内でも防犯への関心が高まっている=福島市・ダイユーエイト福島西店

 全国で凶悪な強盗事件が相次ぐ中、いわき市でも強盗殺人事件が発生し、県内で自宅を守る防犯への関心が高まっている。ホームセンターでは防犯カメラなどの関連商品の売り上げが伸び、問い合わせも急増。県警や有識者はさまざまな対策を組み合わせながら、地域ぐるみで防犯意識を習慣化する重要性を指摘する。

 福島市のダイユーエイト福島西店には防犯カメラやセンサーライト、窓用の補助鍵といった防犯関連商品がずらりと並ぶ。問い合わせが増えたことを受け、特設コーナーを設けた。人が近づくと自動で点灯しブザーも鳴るセンサーライトや、軽く踏みつけるだけで大きな音が出る防犯砂利といったより「防犯能力」の高い商品もある。同社によると、1月に入ってから防犯関連の商品の売り上げが増え、今月上旬には前年同期の1.4倍まで伸びた。「事件のニュースが出てから需要が高まっている」と担当者。防犯カメラの購入を検討していた同市の50代男性は「玄関だけでなく車上荒らしも不安なので、駐車場にも付けようと思う。自分の身は自分で守らないといけない時代だ」と話した。

 警備の問い合わせ3倍

 警備サービスを提供するALSOK福島によると、県内での1月の問い合わせ件数は前年同期比で3倍に。今までは空き巣に関する相談が多かったが、強盗から身を守るためにホームセキュリティー(家庭向け防犯)を契約したいという問い合わせが増えている。

 県警生活安全企画課の担当者は、防犯の前提として必要以上の現金を家に置かないことなどが重要とした上で「鍵の確実な施錠や窓ガラスにフィルムを付けることも有効」と説明。日常的な防犯に向け、地域コミュニティー内の「目」の大切さを挙げ「見慣れない人などがいたら、警察に連絡してほしい」と呼びかけた。

 こうした中、防犯が課題となっている東京電力福島第1原発事故の被災地の双葉郡で、警察と地域の結び付きの再構築が図られている。15日には大熊町で、全町避難により活動を休止していた防犯連絡責任者、駐在所連絡協議会が12年ぶりに活動を再開した。防犯連絡責任者に委嘱された松永秀篤さんは「犯罪の未然防止が最も重要。自分たちの地域は自分たちで守る地域安全の輪を大きく広げていきたい」と決意を述べた。

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