福島の白鳥、鳥インフル陽性 野鳥から今季初、高病原性か検査

県は16日、福島市岡部で見つかった野鳥のコハクチョウ1羽から鳥インフルエンザウイルスの陽性反応が出たと発表した。県が行った簡易検査では陰性だったが、環境省が遺伝子検査を行った結果、15日夜に陽性と判明した。今後、感染力が強い高病原性ウイルスかどうかを調べる。結果の判明には1週間程度かかる見込み。
県内で野鳥からの鳥インフルエンザの確認は、昨年2月に二本松市で発見されたマガモで高病原性鳥インフルエンザが確認されて以来約1年ぶりで、今季は初めて。環境省は陽性確認を受けて、福島、伊達、桑折、川俣の4市町の一部を含む、発見場所から半径10キロ圏内を「監視重点区域」に指定。県が区域で野鳥の監視を強化するほか、区域外でもコハクチョウの飛来地で異常の有無を確認する。
県内では昨年12月までに、二つの養鶏場で高病原性鳥インフルエンザが確認されている。県によると、野鳥の発見場所から半径3キロの範囲に鳥の飼育施設がある場合は立ち入り検査を実施するが、今回は該当施設がなかったという。
県は鳥インフルエンザウイルスについて、感染した鳥との濃密な接触など特殊な場合を除き、人に感染しないと考えられていることから、県民に冷静な行動を呼びかけている。異常を発見した際には、県自然保護課や各地方振興局などに通報するよう求めている。