携わった遺体は4400体、司法解剖で捜査貢献 福島医大教授を表彰

 
警察協力章を受けた黒田教授

 県警は16日、長年にわたり司法解剖などで犯罪捜査に多大な貢献をしたとして、福島医大法医学講座の黒田直人教授(65)に警察庁長官表彰(警察協力章)を伝達した。

 福島市出身の黒田教授は、福島医大法医学講座で医師として働いていた両親の姿を見て医学の世界を志した。大学卒業後、進んだのは両親と同じ法医学の道。これまで本県や東京都、青森県などで約40年にわたり司法解剖などを行い、携わった遺体は約4400体に上るという。

 2014(平成26)年7月に同講座教授に就任する以前は、東京都や青森県で長く活動した。東京都で1995年3月に発生した地下鉄サリン事件、青森県弘前市で2001年5月に起きた消費者金融での強盗殺人・放火事件など世間の大きな関心を集めた事件にも多数携わった。

 警察協力章の伝達式は県警本部で行われた。児嶋洋平本部長が警察協力章を手渡し「黒田教授の力がなくては進まなかった犯罪捜査がたくさんある。県警に限らず、日本警察全体が感謝している。引き続き力添えいただきたい」と述べた。黒田教授は「身に余る光栄」とした上で「これまでの経験を後進育成に役立てたい」と笑顔を見せた。