女性分団、本格始動へ 楢葉・消防団、ポンプ車と輸送車を配備

 
ポンプ車の使い方を確認する団員

 楢葉町は16日、女性のみで組織する町消防団第8分団に、小型ポンプ車と人員輸送車の計2台を配備した。人口減や東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の影響で団員の確保が難しくなる中、車両の配備により、女性団員が初期消火などの活動に本格的に対応できる体制を整えた。

 第8分団は団員確保や消防団の体制強化につなげようと2021年4月、訓練活動や炊き出しなどが主な活動だった「婦人消防隊」を格上げした。町によると女性のみで組織する分団は珍しく、現在は15人の団員が在籍している。

 これまでは専用の車両などはなく、消火活動の支援などが中心だったが、今後は他の団と同様に初期消火などの対応に当たるという。今回配備するポンプ車は4人乗りの軽乗用車。女性でも作業がしやすいよう、町消防団で初となる電動でポンプを昇降できる機能も導入した。

 車両の配備式が町役場で行われた。松本幸英町長は「女性の活動は他の団の見本になる。地域防災の要として大いに活躍してもらいたい」とあいさつし、町消防団の小薬金重団長に配備書を手渡した。第8分団の熊野幸子分団長は「身が引き締まる思い」と力を込めた。

 式後、役場前で車両の点検を行い、木戸川で放水試験を実施した。