森雅子氏がLGBT担当に 首相、荒井氏更迭受け任命

 
「全ての人が尊重される社会を実現する」と決意を語る森氏

 岸田文雄首相は17日、LGBTなど性的少数者の理解増進担当に、女性活躍担当の森雅子首相補佐官(参院福島選挙区)を任命した。首相秘書官を更迭された荒井勝喜氏の差別発言を受け、森氏を中心として性的少数者を取り巻く問題に積極的に取り組む姿勢を示す狙いがあるとみられる。

 森氏は引き続き女性活躍担当も務める。森氏は10日に同性婚実現を目指す団体のメンバーと面会した際、性的少数者の人権を担当する補佐官を置くよう要請を受け「受け皿はなくてはならない。必要だ」と理解を示していた。

 森氏は取材に対し「誰もが取り残されることのない社会の実現に向け、LGBTの人たちの声を聞く窓口となる」と述べた。

 苦しんでいる人の助けに

 LGBTなど性的少数者の理解増進担当に就いた森雅子首相補佐官は17日、福島民友新聞社などの取材に応じ、LGBTの人たちへの理解増進に向けた取り組みの強化に意欲を示した。

 ―LGBT理解増進担当就任の決意を。
 「責任は重大だ。LGBTの人たちの悩みや声を聞く政府の窓口となり、誰もが取り残されることなく、生きづらさを感じることもない国の実現に全力を尽くす」

 ―理解増進にどう取り組むのか。
 「法相時代にもLGBTへの偏見や差別をなくすために力を注いできた。職場でハラスメントを受けたり、いじめを受けるなど深刻な問題を抱える人もいた。まずは声を聞きながら、どのような問題があるのかを改めて把握したい。さまざまな問題を岸田文雄首相と共有し、苦しんでいる人の助けとなりたい」

 ―首相秘書官を更迭された荒井勝喜氏の差別発言をどう受け止めたのか。
 「報道によれば『見るのも嫌だ』などと発言したとされ、言語道断だ。憤りを感じたし、何より悲しかった。更迭は当然だ。(LGBTには)大きな失望を与えた。政府に対する不信の払拭に取り組む」