「処理水の授業必要」 福島学カレッジ、伝承館で中高生が発表

 
研究結果を発表する生徒

 東日本大震災・原子力災害伝承館(双葉町)は19日、同所で中学、高校生を対象とした本県復興の将来を考える体験型プログラム「福島学カレッジ」の最終報告会を開き、子どもたちが学習の成果を発表した。

 事業は将来を支える若者に自分の関心を可視化してもらおうと昨年10月に始まり、県内を中心に13人が参加した。参加者はフィールドワークや地元住民へのインタビューなどを通じて被災地の現状を学び、それぞれ立案したテーマを基に研究を進めてきた。

 須賀川桐陽高の有賀きらりさんは、処理水の海洋放出に関する理解の格差や情報の普及をテーマに設定した。同校の生徒ら108人を対象に、海洋放出の賛否や関心の有無などを問うアンケートを実施。結果、処理水に関する十分な知識が身に付いていないことが分かったという。有賀さんは「処理水の授業を学校教育に取り入れることも必要だ」とまとめた。このほか、双葉郡が抱える医療問題や風評被害をテーマに設定した生徒もいた。

 カレッジの修了式も行われ、最優秀賞に3人、優秀賞に3組4人を決めた。