松本零士さん死去、85歳 郡山ふれあい科学館・名誉館長20年

 

 「銀河鉄道999」「宇宙戦艦ヤマト」で知られる漫画家の松本零士(まつもと・れいじ、本名晟=あきら)さんが13日死去した。85歳。福岡県出身。告別式は近親者で行った。喪主は妻の漫画家牧美也子(まき・みやこ)さん。お別れの会を後日開催予定。

 松本零士さんは、郡山市の郡山ふれあい科学館の名誉館長を2001年の開館時から約20年間務めたほか、本県を応援する「しゃくなげ大使」にも就いていた。

 「少年のような純粋さ」

 松本さんは、郡山市ふれあい科学館のイメージキャラクターのデザインを担当した縁で、開館時から2021年6月末まで名誉館長を務めた。

 元館長の箭内政勝さん(79)は、松本さんが講演などで、子どもたちに宇宙のロマンや夢を持つ大切さを熱心に伝えていた姿が印象に残っているという。「当時すでに60代だったが、少年のような純粋さを持っていると感じた。子どもたちは、そんな松本さんと触れ合う機会があり、幸せだったと思う」と感謝する。同市をPRする「フロンティア大使」も約15年務め、品川萬里市長は「本市の子どもたちに夢と希望を与え続けていただいた」と哀悼の意を示した。

 いわき市の塩屋埼灯台点灯120周年となった19年12月には、灯台をモチーフとしたイラスト画を寄贈。地元有志や福島海上保安部などでつくる「とよまの灯台倶楽部」の坂本博紀さん(38)は「気さくでお話好きな方だったが『灯台は人々の生活に必要で、長く残さなければならない』と語っていたのが印象に残っている」としのんだ。

 県のしゃくなげ大使としても本県への支援を続けていた松本さん。内堀雅雄知事は「壮大な作品を世に送り出し、多くの県民に夢と希望を与えてくれた」とのコメントを発表した。