視覚支援学校に幼稚部新設へ 福島県教委、円滑な小学部入学図る

 

 県教委は新年度、福島市の県立視覚支援学校に幼稚部を新設する。これまで視覚障害のある未就学児は通常の幼稚園や保育所のほか、在宅で保育をしていたが、保護者からのニーズの高まりを受け、設置により小学部への円滑な入学を図る。

 視覚障害のある幼児は、視力が急激に発達する就学前の教育が重要となるが、これまでは視覚支援学校内の地域支援センターで実施している視覚障害のある乳幼児とその保護者を対象とした「のびのび教室」での相談支援にとどまっていた。

 幼稚部は視覚支援学校内の教室に設置。幼稚園教諭の免許を持った教員を配置し、初年度は5人程度を定員とする。遊びを通した学びのほか、障害の状態や発達段階に応じて物を拡大して見る「弱視レンズ」の効果的な活用や、触って形を理解する学習、小学部から始まる点字での勉強に向けた初期指導などを行い、学習や生活面での困難さを、改善を図りながら小学部での生活につなげられるよう支援していく。

 20日の2月定例県議会で、自民党の西山尚利議員(福島市)の代表質問に大沼博文教育長が答えた。

 幼児教育の質向上へ 研修センター設置

 県教委は新年度、県教育センターに「ふくしま幼児教育研修センター」を設置する。幼稚園や保育所、認定こども園など多様な幼児教育機関があるが、所管部局と連携して一体的な研修を実施することで幼児教育全体の質の向上につなげたい考え。

 現在は幼稚園教諭や保育士などの免許や保育施設の種類に分けて研修を実施している。センターを通して県内の幼児教育に携わる保育者が同じ研修を受けられるようにすることで、保育者同士の意見交換や幼児教育の質の向上、「幼小連携」の充実を図る狙いがある。

 センターでは職員による研修や参集型の研修を行うほか、浜通り、中通り、会津から計三つの市町村をモデル地区として指定し、その地区の中で公私立や保育施設の種類を問わずに保育参観などの実践研修を行う。実践研修の成果や、保育者の疑問や悩み、研修方法について全県に発信することで、保育者の指導力向上に取り組む考え。西山議員の代表質問に大沼教育長が答えた。