トルコ・シリア地震...福島から恩返し 支援団体「お互いさま」

 
震災をきっかけにシリア難民支援に取り組んできたナジーブさん(左)と半田理事長。協力して被災地に支援金を届ける

 4万5000人を超える死者が出たトルコ・シリア大地震への支援の輪が県内でも広がっている。世界中から多くの支援が寄せられた東日本大震災の「恩返し」にと、県内自治体や団体による募金活動などが各地で進む。

 「OTAGAISAMA(お互いさま)」。震災後、ヒマワリの種を使った復興支援に取り組んできた福島市のNPO法人チームふくしまは今月、大きな被害が出たシリアへの災害支援金の受け付けを始めた。

 同法人は震災後、本県などを取材していたシリア人ジャーナリストのナジーブ・エルカシュさん(49)と出会い、それをきっかけに震災復興活動とともに内戦によるシリア難民の支援を展開してきた。避難を余儀なくされた難民の子どもたちに本県の復興を描いた絵本「ぼくのひまわりおじさん」を届けたり、同市の運動着専門メーカー「クラロン」の協力で、体操着を現地に贈るなどの活動だ。

 今回の地震では、そのシリアにも大きな被害が出た。両国の犠牲者は、東日本大震災を上回る4万5000人以上とされ、シリアでも5000人を超える死者がいるとみられている。支援を始めた同法人の半田真仁理事長(45)は「困った時はお互いさま。友達の実家で大変なことがあったから、応援したいという気持ち」と話す。シリアは内戦の影響で支援も届きにくくなっているとされるが、3月には集まった支援金をこれまでの活動で関係を築いた現地の団体や非政府組織(NGO)を通じて現地に届ける予定だ。支援金の募集はそこで一度、締め切ることになるというが、その後も継続して支援を続けていきたいとしている。

 支援金の振込先は、ゆうちょ銀行記号18270 番号1345411、問い合わせは同法人(電話024・563・7472)へ。

 県内自治体にも多くの寄付

 県内自治体もトルコ、シリア両国の被災地支援に向けた募金を始めている。南相馬市は7日、東日本大震災の恩返しの意味も込めて市役所と各区役所など市内4カ所に募金箱を設置した。15日時点で18万円の寄付が集まったという。16日に寄付を行った同市の自営業女性(39)は、昨年3月の本県沖を震源とした地震で今も自宅の壁が壊れたまま。「トルコの皆さんも地震で大変な思いをしているのではないか」と思いやった。

 伊達市でも市内5カ所に募金箱を設置したが、予想を上回る寄付金が集まっている。市によると、募金に関する問い合わせも相次いでおり、市内では募金活動を始めている学校もあるという。