運搬用ドローンの安全管理研究 いわきの企業が任意団体を設立

ドローンの機体開発などを手がけるドローンワークシステム(いわき市)は、古河産業(東京都)とともに任意団体「日本ドローン搬送協会」を設立した。活用が広がる運搬用ドローンの分野で実績を積みながら、安全管理の観点から業務計画など統一的ルールの標準化を目指す。
ドローンワークシステムは元々、個人向け自動車パーツの開発や販売を行っていた。手島朋広社長によると、設立当時、中国製ドローンが8割以上だったこともあり、車載機器関連の技術を応用してドローン開発を始めた。5年前には同市にドローンスクールを開設した。併せて機体開発を進めるとともに、農薬散布をはじめ林業現場での苗木や資材の搬送、空撮、測量といった分野で業務や実証実験に参加してきた。
古河電工グループの商社である古河産業から高圧電線鉄塔の保守管理業務に関わり、最大49キロまで運べるドローン開発の依頼を受けた。これをきっかけに昨年から連携を深め、両社で1日に協会を発足。手島社長は「運航計画や操縦など業者ごとにやり方がまちまち。物資搬送のニーズが高まる中で事故が起きる前に(協会発足に)取り組もうと考えた」としている。
協会では運航計画や業務に関わる技術者育成、機体開発と運用保守、安全確保に向けた研究などを行う。今後市街地でのドローン運搬が広がっていくとみられ、手島社長は「運ぶ物に応じて運べる重さや飛べる距離の必要性は変わってくる。需要を注視しながら新規分野への展開を考えていきたい」と話した。