ポイント期限...マイナカード「窓口殺到」 条件は2月末まで申請

市町村のマイナンバーカード窓口に多くの住民が詰めかけている。取得者を対象に最大2万円分のポイントがもらえる「マイナポイント」申請には、2月末までにカード交付を申請する必要があるためで、中には「(申請を)終えるまで2時間半かかった」と話す人も。月末に向けて"駆け込み"の動きは一層拍車がかかりそうだ。
会津若松市がマイナンバーカードの申請、交付などを行う栄町第2庁舎。日中は約70台分ある駐車場が満車になる日が続く。「来庁から2時間半かかった」。カードの申請など一連の手続きを終えた女性は疲れた様子で話した。
マイナポイントは、政府がマイナンバーカード取得率向上に向けて導入した。ポイントを受け取るには2月末までにカードの交付を申請する必要があり、市町村の申請窓口は混雑する。
会津若松市は当初の期限だった昨年12月、市民課への問い合わせが急増。1日100件を超える日が続き、業者に委託して専用の電話窓口を開設した。その後、申請期限が今年2月末に延長されると一時問い合わせは少なくなったが、2月に入って再び1日100件を超えるようになった。担当者は「各地域の支所でもカードの交付に対応できればいいが、支所に事前にカードを移す必要がある。支所への来庁予約を受け付けると事務作業が増えてしまうので、難しい」と頭を悩ませる。
カードの申請が終わっても交付作業は3月以降も続く。3、4月は転居の手続きなどで、ただでさえ市民課の業務は増える時期。担当者は「第2庁舎以外でもできる手続きは、支所やコンビニ交付を利用してもらえると助かる」と話す。
郡山市役所のマイナンバーカードセンターでも職員が対応に追われる。市の猪狩明宏マイナンバー推進課長は「連日混んでおり、申請に関する問い合わせの電話も鳴りやまない状況にある」という。
総務省によると、同市の人口に対する交付枚数率は1月末時点で55.5%。同市でも2月上旬から申請数が急増している。平日午前10時~午後3時ごろが混雑のピークで、10組以上が待機し手続きまで1時間30分以上かかる場合もあるという。申請に訪れた同市の野田繁さん(74)は、受け付けから1時間ほどで手続きを終えた。「健康保険証と一体になるし、3月以降はマイナポイントがもらえないので今のうちに来た。無事に手続きが終わって良かった」と話した。
市はショッピングモールや公民館、企業での出張申請も展開する。政府はマイナンバーカードの交付率によってデジタル関係交付金の配分に差をつける方針で、自治体にとっても交付率上昇は重要。猪狩課長は「マイナンバーカードがあることで利便性も向上するので、ぜひ申請してほしい」と呼びかける。
ポイントは5月末まで
政府は、マイナポイントの申請期限を5月末まで延長した。2月末までにマイナンバーカードを市町村の窓口に申請すれば、申請期限までに申し込める。
県によると、カードの交付には通常、申請から1~2カ月程度かかる。ポイントの申請はスマートフォンなどから可能。県も28日まで、福島、郡山の両免許センターにマイナンバーカード申請の支援窓口を開設している。