福島市の当初予算案、過去最高額 コロナ禍後を見据え積極型編成

 

 福島市の木幡浩市長が21日発表した新年度一般会計当初予算案は、除染関連事業費(仮置き場返還)を除いた実質予算額が8年連続の増加で、過去最高額の積極型予算となった。コロナ禍後を見据え、産業振興やにぎわいづくり、デジタル化、移住・定住などに予算を重点配分した。

 当初予算額は1147億円(前年度比1%減)、実質予算額は1126億9千万円(同0・03%増)。福島駅東口再開発事業など大型事業の進捗(しんちょく)、学校改修・改築などが増加の原因となった。歳入では給与所得や新築家屋・設備投資の増加を見込んで市税が増えるとみている。

 主な新規事業は、消防本部・福島消防署の移転整備に向けた基本設計費に9200万円、MAXふくしま内に多文化共生センターの設置費に1300万円、イチゴ「ゆうやけベリー」のブランド確立事業に3600万円、ふくしまシティハーフマラソンの開催費に6600万円を計上した。

 本年度一般会計補正予算案に前倒しした事業では、河川水位予測システムの導入などに4300万円、学校図書館ICT化に1億3100万円、こむこむへのデジタルコンテンツ導入費に6200万円などがある。

 市役所で記者会見した木幡市長は「ポストコロナに向けた取り組みを加速していく。新年度はコロナ禍からの再生、人口減少対策、デジタル化やゼロカーボン化などに重点を置き、チャレンジしていく」と語った。

 福島市新年度当初予算案の主な事業(新規は◎、拡充は●)
【新型コロナ・物価高対策】
 ◎ポストコロナ対応デジタル化等支援   3000万円
 ◎中小企業ゼロカーボン資金融資    5億320万円
 ●福島型給食推進事業        4億7018万円

【安全安心なまちづくり】
 ◎消防本部・福島消防署の移転整備推進
  (2028年開所に向けた基本設計)  9203万円
 ●消防団員出動報酬の改定による処遇改善  951万円
 ●バリアフリーの推進          2139万円
 ●公立夜間中学の開設準備        4275万円
 ●健都ふくしま創造事業         1706万円
 ●ムクドリ・カラス対策          211万円
 ◎福島交通飯坂線第4種踏切安全対策    149万円

【子育てと教育で選ばれるまちづくり】
 ●結婚新生活応援          1億4364万円
 ◎出産・子育て応援交付金      1億9920万円
 ●保育士などの処遇改善       2億3742万円
 ●保育施設多子世帯負担軽減
  (所得制限撤廃・年齢基準なし)  1億4390万円
 ●松陵中(松川地区義務教育学校)改築
                  17億7580万円
 ●学校施設のリフレッシュ・バリアフリー化
                   4億4588万円

【将来にわたり持続可能な産業の創出】
 ◎「ゆうやけベリー」ブランド確立    3650万円
 ◎米粉等利用拡大支援           667万円
 ◎ツキノワグマ被害特別対策        215万円
 ●福島おおざそうインター工業団地第2期整備
      (用地取得、造成工事) 14億8150万円

【賑わいと文化】
 ●街なかにぎわい創出          3361万円
 ◎街なか再生リノベーション支援     2000万円
 ●(仮称)市民センター整備    15億4654万円
 ●道路整備事業・市民会館周辺    1億2590万円
 ◎吾妻五葉松PR             200万円
 ◎古関裕而野球殿堂入り記念イベント    500万円
 ●スポーツコミッションを通じたイベント・合宿誘致
                      907万円

【デジタル都市の形成と地域経営のリノベーション】
 ◎戸籍・住民票・税証明のオンライン申請開始
                      275万円
 ◎電子入札の実施             584万円
 ●ももりんシェアサイクル運営      2122万円
 ●電子町内会の活動促進          103万円
 ●連携中枢都市圏の形成による広域的発展 2216万円

【ゼロカーボンの推進】
 ◎公共施設への太陽光発電導入推進     380万円
 ●ごみ減量化促進対策          1526万円

【移住・定住の促進、女性活躍社会の形成】
 ◎移住コーディネーターによるサポート   471万円
 ●女性の起業チャレンジ応援パッケージ    59万円
 ●出会いの場創出             415万円