二本松市の当初予算案、物価高騰対策を重視 人口や子育て支援も

 

 二本松市の三保恵一市長は21日、市役所で記者会見し、291億7900万円の新年度一般会計当初予算案を発表した。予算規模は前年度当初に比べ5900万円(0・2%)の増加。

 3年目となる市総合計画の達成に向けて各種施策の積極的、効果的な推進や、新型コロナウイルス禍での物価高騰などを重視した。予算額は除染事業の終了などで2016年度から減少傾向が続いている。

 歳入では、市税について固定資産税の増収などで前年度当初比3億4千万円(5・3%)増加の67億8900万円と見込んだ。地方交付税は同3億1千万円(3・5%)減の86億5900万円、臨時財政対策債は同1億7200万円(56・6%)減の1億3100万円を計上した。

 歳出は、総合計画に掲げた「健康で暮らし続けられるまち」など四つの基本目標を柱に82事業を重点事業に位置付け、人口減少対策や子育て支援、福祉・医療の充実、産業の振興、教育環境の整備、防災対策などに予算を割いた。

議会提出39議案発表 三保市長は21日の記者会見で、28日開会の3月議会に提出する新年度一般会計当初予算案など39議案を発表した。

 議案は当初予算関係15件、本年度の補正予算関係4件、条例関係17件など。補正予算案のうち一般会計は各事業の執行状況などを踏まえて7億9500万円を減額する。条例関係では、現行の出産祝い金制度を見直し、第3子以降の出生を支援するために1人10万円を支給する「笑顔さんさん祝金」の創設などを目指す。


 二本松市新年度当初予算案の主な重点事業
           (新規は◎、見直しは○、拡充は●)
【健康で暮らし続けられるまち】
  温泉等利用健康増進事業        3366万円
  高齢者の公共交通の運賃無料化事業   1027万円
 ●生活困窮者自立支援事業        2560万円
  芝生広場整備事業         2億6067万円

【地域の誇りに満ちた活力あるまち】
 ●移住・定住促進事業          2748万円
 ◎道の駅「ふくしま東和」管理運営事業   297万円
 ●循環農業推進事業 451万円
 ◎畜産振興事業(優良肥育素牛導入事業)   87万円
 ◎工場等立地促進事業           100万円
【世代をつないで人を育むまち】
 ●出産育児一時金支給事業        1800万円
 ◎出産・子育て応援事業         2595万円
 ◎笑顔さんさん祝金支給事業        630万円
  妊婦健康診査事業           4443万円
  出産時交通費補助事業          100万円
 ●産後ケア事業              285万円
 ◎学校給食と食育の推進         2097万円

【安全で快適なくらしのあるまち】
 ●消防団の活性化(消防団活動の充実)  6815万円
 ○地域医療機関との連携及び医師確保対策 1662万円
 ●森林経営管理事業           4322万円
  二本松駅南地区整備事業      6億2319万円
 ◎ブロック塀等除却費補助事業       100万円

【その他】
 ●ふるさと納税の推進          8036万円
 ◎公共施設LED照明改修事業    1億5591万円