南相馬市の当初予算案、教育・子育て支援や農業政策など重視

 

 南相馬市の門馬和夫市長は21日、市役所で記者会見し、436億6900万円(前年度比2億円減)の新年度一般会計当初予算案を発表した。復興が一定程度進み、震災関連事業は100億円(同32億円減)で前年度比24・4%縮小した。そのほかの通常事業は337億円(同30億円増)で、9・9%増加した。

 初年度となる市の第3次総合計画の七つの政策の柱に基づき、教育・子育て支援や農業政策などを重視して編成した。主な新規事業として、農業の担い手育成の場となる農業研修施設の来春の開設に向け、2500万円を計上する。

 教育・子育て分野では、コロナ禍で中断していた中学生の海外研修を4年ぶりに再開させる。オーストラリア、シンガポールへの渡航プログラムを用意。2600万円を計上する。
 相馬家の祖先が南相馬市に移ったとされる1323(元亨3)年から700年の節目の年とされ、記念事業のバスツアーなどに819万円を計上する。

 また高齢者の補聴器購入費助成に820万円、南相馬鹿島サービスエリア周辺の開発検討事業に1400万円を計上する。

 【新年度の主な事業案】(◎は新規)
◇教育・子育て
 ・中学生海外研修事業        2600万円
 ◎奥州相馬氏700年記念事業     819万円
 ・幼保小中給食費無料事業    2億1000万円

◇健康・医療・福祉
 ◎高齢者補聴器購入費助成事業     820万円

◇産業・しごとづくり・移住定住
 ◎農業研修機関の開設準備      2500万円
 ◎中小事業者チャレンジ応援補助金  1600万円
 ◎南相馬鹿島サービスエリア周辺開発検討事業
                   1400万円

◇都市基盤・環境・防災
 ◎空き家解体支援事業補助金     1250万円
 ・空き家対策推進事業        5200万円
◇地域活動・行財政
 ・新庁舎建設推進事業        3600万円
 ・自治体デジタル・トランスフォーメーションの推進
                   3000万円

◇原子力災害復興
 ・被災地域の農業復興支援    4億2600万円
 ・旧避難指示区域内での店舗営業支援 4000万円